神威ユウキ氏について

Visinger 神威ユウキ 氏
VRChatを中心に活動するVsinger。力強い歌声と演出を取り入れたライブパフォーマンスを特徴とし、バーチャルとリアルの両方で活動の幅を広げている。VRChatの音楽イベント「BAR Linkage」への出演をきっかけにデビューし、数々の出会いと経験を重ねながら活動を続けてきた。現在はソロ活動に加え、女性ツインボーカルの4人グループ「SpookyGirls」としても活動し、歌唱だけでなくイベント運営やライブワールド制作にも挑戦するなど、表現の可能性を広げている。
インタビュー全文
シンガーとして活動するきっかけ

——リアルイベントやVRChatで活躍するVsingerの神威ユウキさんにインタビューできて大変光栄です! 早速ですが、シンガーとして活動されるきっかけについて教えてください。

最初に活動を始めたのはVRChatだったんですけど、ここって誰でも夢をかなえる活動を始められる場所なんですよね。そんな中で、パフォーマンスの仕方もわからなかったんですけど、BAR Linkageさんにシンガーとして出させていただいたのが私のデビューでした。それこそ、最初は知識不足でVRヘッドセットに付属してたマイクで歌ってましたよ(笑)。BAR Linkageさんにはとても感謝しております。

——そうだったんですね(笑)。

最初は何も持っていなかったので、ただ歌が好きというだけで立たせていただきました。皆さんには、イベント出演にあたってすごくフォローしていただきました。そのイベントに出演したご縁で大切な友達もできて、いろいろな人の力があって今の私がここにいるなと感じています。
オリジナル楽曲について

——インタビュー直前にアイスブレイク的に神威さんのオリジナル楽曲である『青い星の彼方』のパーティクル演出を見させていただきました。歌詞がネガティブなところに驚きましたが、どういった意図があるんでしょうか。

いろいろなご縁があって活動をしていて、今こうしてインタビューも受けさせていただいています。例えば、今の記憶を持って過去に行っても同じ状況を作れるかって考えたら、二度とできないって思っているんですよ。その出会った時期とかタイミングが奇跡的にめぐり合わせて今があるから本当に何もかもが奇跡だと思ってて。

活動とか人間関係で、「嫌なことしちゃったかな」とか「されちゃったな」とか結構悩んだ時期もあったんですけど、それが一つでも欠けてたら今の状況になっていないと思うんですよ。だから、立ち止まっている人とか、悩んでいる人とか、いろいろなことに後悔している人って全部今までのことが無駄だったって考えちゃうと思うんですけど、でもその先に「すてきなめぐり合わせがあるよ」「大丈夫。怖くないよ」「だから一緒に進もう」っていう思いが心に響けばいいなと気持ちを込めました。実体験談モリモリで(笑)。

——かなり、苦戦しながら歌詞を書かれたんじゃないでしょうか。

自分自身のことでもあったので言葉自体はスラスラ出てきましたね! 元から物語等の文章制作が好きで。でも入れたいことを一心不乱に並べたら全部の言葉が重くなってしまって、なにを伝えたいのかっていうまとまりがなくなっちゃったところには、すごく悩みました。私には歌の情景が見ているんですけど、初めて聴く人にその4分間の歌でどう伝えるのかっていうのには苦戦して、歌詞を削ったり、足したりしました。

——本当に2年間の活動が詰まった歌なんですね。

そうですね! この2年間本当に悩みました(笑)。
所属GroupのSpookyGirlsについて

——ちなみにSpookyGirlsというVsingerグループにも所属されていますよね。

そうですね。こうもりちゃんとの女性ツインボーカル。MixやPA等の音響担当のちぇけ。モデリングやリアルタイムパーティクル演出担当のBlackburn。他のユニットにはきっとない超クールで高難易度のカバーを中心にハロウィーンをテーマに活動するグループです。

ちなみにグループでの経験もオリ曲には乗ってるんですよ。本人にも言ってるんですけど、こうもりちゃんって歌唱力が化け物じゃないですか(笑)。もちろんちぇけもばんばんも魅せるこだわりと技術がすごすぎる化け物で(笑)。これまで好きって気持ちで歌をやってきたんですけど、人の時間を頂いて聴いてもらっているので、「じゃあ、時間を割いて来ていただいたお客さまの大事な時間で私はなにを届けられるんだ」「これでいいのか」って本当に苦しくて、悩んだんです。言い方が悪いですけど、「これじゃ、カラオケを見せてるだけだ……」って思いました。でもいい意味でのネガティブですよね。

——きちんと自分自身の中にあるネガティブな感情に向き合えるのが神威さんの強さだなと思いました!

そういった思いに向き合って、いろいろなことに気が付かせてくれたのも、本当に皆さんとのご縁だなと思っています。
活動の困難について

——ここまでの活動に数々の困難もあったかと思います。

そうですね。お恥ずかしながらデビューしたての時には、出演する度緊張して声が震えちゃってたので、慣れるために月に6~8件いろいろな所に出演させていただき、スケジュールを詰めまくってしまい、デビュー三ヶ月で声帯ポリープにかかりまして……。今思うと信じられないくらい思いや考えが軽率すぎて。恥ずかしいです。

——え! それはつらすぎる……。

声帯ポリープの後遺症で地声が少し低くなったんですけど、ようやく高い声も安定して出せるようになってきたんですよ! ただ、かすれることも多いのでまずは声を安定させたいなっていうのが1番ですね。
あとは体力も付けたいんですよね。リアルとバーチャル活動と忙しくし過ぎて夏の猛暑で身体が弱り切って高熱でぶったおれて一週間ぐらい入院していたことがあって、これも恥ずかしい話なんですけど、Xのニュースになっちゃって……。1日入院が遅れていたら死んでたらしいんですよ(笑)。

——本当にご自愛ください……。

そんな感じで、入院生活で体力がなくなってしまって、ライブで息が続かないってこともあったので、体力作りを頑張りたいなって思っています!
挑戦していることについて

——自分の困難に負けず、ひたむきに頑張っている姿が本当にまぶしいです。ぜひ、他にも挑戦していることがあれば教えてください。

ライブワールドの制作にも力を入れていますね。デビューして間もない時、ある音楽イベントに行ったらそこのステージがすごくて衝撃を受けちゃって……。
活動を頑張ればあそこに立てるのかなって憧れの気持ちと、かなえるには自分が作れるようになればいいのではと思いました。

——シンガーの活動だけでなく、ワールド制作やイベンターとしても活動されているわけですね。そこまでやる理由ってなんでしょうか。

出演させていただくイベントって自然にあるものではなくて、たくさんの人の時間とたくさん学んだ制作技術、思いや苦悩や努力があると思うんですよ。それを築く大変さっていうのを体感した上で、イベンターさんに対して心から「ありがとうございます!」の気持ちを持って、はじめて本気で挑めると思ってます。すごい場所だって曖昧に感じる気持ちではなく。ライブに関わる一つひとつのことを大切にしたいなっていう気持ちがあって、そういう活動もしています。

それは全てのことに対して思っています。MIXもマスタリングも実際にDAWのソフトを動かしてみないとすごさ、掛かる金額や思いを込めて制作してくれてる技術が曖昧にしかわからないし。今やれていることが“当たり前”ではなくて、感謝の気持ちとつながりを大事に頑張りたいです。あくまで私自身に思ってることで他の人にはそうであれと全く求めてないですよ‼ 感謝の心は大切ですけど(笑)‼
歌との出会いについて

——そこまでの高い目標持って活動されていることに驚きです。ところで、そもそも歌を歌おうと思ったきっかけってなんだったんでしょうか。

VRChatに来る前は結婚式場でフレンチの料理人をしていたんですけど、週5泊まり込みで全然家に帰れないくらいブラックでした……(笑)。始発から終電を超えてまで仕事をしていたら、できることってiPadで絵を描いたり、泊まりカラオケに行ってストレス発散したり……。家に帰るの面倒だから、職場からヒトカラにいってそのまま職場に戻ってくるみたいなことをしていました(笑)。

——そこから歌を活動にしようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか……。

本気で歌をやりたい、歌が好きだなって思ったきっかけが、『マクロスF』っていうアニメに出会ってからですね。多分友達に勧められたとか、一緒にカラオケ行った時だったと思うんですけど、その友達が『ダイアモンド クレバス』を歌ってたんですよ。その時に「MVがきれい……」「歌って力になるんだ」「歌うのすごいな」って自分単純だなってすごい思うんですけど(笑)。そこが歌をすごく好きになったタイミングだったと思います。
そこから歌を活動にしたきっかけがVRChatに出会ってライブへ出させていただいたっていうところになります。
活動の原動力と表現方法

——歌もワールド制作もと本当になんにでも挑戦しますよね。その原動力はどこにあるんでしょうか。

やっぱり社畜時代の経験があるのかなって思います。それまで料理しか知らない人間が、バーチャルなら、夢にまで見たライブステージに立てるってすごいことじゃないですか。その職場で働いていた時にはそんな未来ないと思ってたし、今でもすごいことをしているって思っているので、本当に頑張らなきゃなって思っています。
人生1度きりだからって思って、リアルライブにもご機会をいただき出演の挑戦しました。そういう思いもあっていろいろなことにチャレンジしていますね。

——そのチャレンジ精神を表すかのようなかっこいい歌い方が特徴的ですが、このような表現方法に至った経緯についても教えてください。

場所によって歌い分けてます。すぷがでの歌い方はやっぱりこうもりちゃんの影響ですね。それと演歌が好きだったので、こぶしを入れる歌い方はここから来ているのかなって思います。普段バラードやビジュアル系が好きで、それぞれ好きなアーティストが定まっていて、影響を受けていると思ってます。
これからの挑戦や目標

——本当にいろいろ聞かせていただきましてありがとうございます。ぜひこれからの目標や挑戦についても教えてください。

リアルライブでいろいろな方とお話をしていたんですけど、VRChatを知らない人も結構いたんですよね。なので、VRChatだけにとどまっていたら、リアルライブでのご縁もそれだけになっちゃうのかなと思いまして、いろいろVRChat外でも見守ってもらえるような活動準備をしています。またリアルライブにも挑戦したいですし、動画作りもしていきたいなって思っています。

人生1度きりなのでやらなきゃ損じゃないですか! それに、料理人からシンガーになれるって本当にすごい人生ですよね! 今も料理人は続けているんですけどね……(笑)。
あと、私わがままなので他にない唯一無二なことをしたいですね! 特にイベントでいうと歌だけじゃなくて、その空間とか、演出とか、演技とかを楽しめるような空間にしたいなっていう思いがあります。

——歌での目標や挑戦はいかがでしょうか。

個性を極めたいです。神威ユウキはこういう歌い方をするから、あのカバー曲を聴きたいとか思ってもらえるような。あとはオリジナルソングも増やしていきたいっていう気持ちがあります。
そのためには、歌を猛練習する必要もあるんですけど、演劇の勉強もしなくてはと思っています。っていうのは、台本を書くっていう創作の面でも力になるし、セリフを読むことで、書いてあることに対する理解度をすごく深められると思うんですよ。曲とか作詞の方の気持ちになれるじゃないですけれど、表現力を演劇で上げたいなって思ってます。
なんというか、楽曲を自分のものにしちゃうんじゃなくて、楽曲の表現したいことに寄り添えるようなシンガーになりたいっていうのが歌での目標ですかね。

——本当にやりたいことがたくさんありますね!

そうですね(笑)。うたみたもオリ曲も増やしたいですし、なにより自分でMIXもできるようになりたいですし、イラストも描けるので自分でMVも作ってみたいです。最近は配信に呼んでいただけることも増えてきたので、YouTubeを中心にコンテンツを増やしたいなと思っています。
VRChatでも主催イベントを増やして、自分にできることを増やしていきたいです! 今やらないとタイミングを逃しちゃいますから! 人生1度きり!
皆さんへメッセージ

——最後に皆さんへメッセージをお願いします。

絶対飽きさせません! 私を見守ってくださって、楽しかった、良かった、盛り上がった、元気が出たってすごく思ってもらえるように、これからも全力で頑張ります。歌もイベントも運営も本当にいろんなことをやりますし、SpookyGirlsでもソロでも、ChillSongBar【MoonLightNocturne】もVRChat以外のコンテンツも、全力で頑張りますので、何とぞ今後も一緒に楽しい時間を共有できていけたらうれしいです! よろしくお願いします!