Nerine氏について

V弾き語りスト Nerine 氏
ギター1本と歌声で原曲の世界観を描き出すV弾き語りスト・Nerine。幼少期に祖母の弾くピアノの音に親しんだことをきっかけに音楽に興味を持ち、高校の授業でクラシックギターと出会ったことが現在の活動の原点となった。ニコニコ生放送をきっかけに配信活動を始め、ツイキャスやSHOWROOMを経て、現在はYouTubeやVRChatで弾き語り配信を行っている。
インタビュー全文
音楽との出会い

——V弾き語りストとして活動しているNerine(以下ねりね)さんにインタビューできて大変光栄です! 早速ですが、最初に音楽と出会った時のエピソードについて教えてください!

いくつかターニングポイント的なやつはあったと思うんですけどね。幼少期でいうと、自分っておばあちゃんっ子なんですけど、おばあちゃんが老後の趣味でピアノを弾いてて、その音を聴くことが多かったかなと思いますね。「やってみて」とかそういうのはなかったんですけど、当時から音楽は結構好きだったんじゃないかなと思います。

——ぜひ他にも教えてください。

小学生の頃、習い事で勉強以外のことも教えてくれる塾みたいな所に通っていたんですけど、そこで授業が始まる前に交流時間みたいなのがあるんですよ。きっかけは覚えてないんですが、そこでアカペラをしてすごく褒められた記憶がありますね。
中学生になってから、部活の友達とカラオケに行ったんですよ。そこで「初めてにしてはやるやん」みたいに褒められたのは覚えてます(笑)。
弾き語りを始めたきっかけ

——弾き語りを始めたのはどういったきっかけがあったんでしょうか。

これは自分が音楽のターニングポイントで一番大きいと思っているんですけど、高校の授業でクラシックギターを触って興味を持ったんですよね。それで、一般に言われているほど習得に苦戦もしなかったんですよ。Fコードとかもすぐできましたし、授業でも経験者を除いてそれなりに弾けた方なんじゃないかな……。

——それがギターとの出会いだったわけですね!

そうですね。そこでちょっと興味を持って、家で「ギターやりたいな」って言ってたらその年の誕生日におばあちゃんからアコースティックギターをプレゼントしてもらって、今に至る感じです。
音楽を活動に

——お話を聞いていると完全に趣味としてやられていたんだなと思います。そこから活動にしようと思ったきっかけは何だったんでしょうか。

丁度中学高校の時にニコニコ動画を見始めて、ニコ生を見てた時期があったんですよね。そこでたまたま仲良くなった生主の方から「配信やってみたら?」って声をかけてもらったのが始まりでした(笑)。当時しゃべるのが苦手だったので、歌ったりギターを弾いたりしていましたね。
そこから、ツイキャスに行って、SHOWROOMに行き、今はYouTubeで活動しているっていう感じです。

——ずっと活動してきたとは! すごいですね!

でも、最近は音楽で生きていきたいっていう思いが根底にあって、自分の歌とアコギがどこまで届くのかって昔の配信を見直したんですよ。そうしたら、ひどくてひどくて……(笑)。
これはあかんぞって思って、一つひとつの音を大切にしたり、テンポを大事にしたりするようになりました。
それこそ今までは大石昌良さんの弾き方をまねしてるだけで「自分すごくね?」って思っていた時期があったんですけど、本当に全然そんなことねえぞって反省しました。

——自分を見つめ直すきっかけになったわけですね。

より届くためにはどうしたらいいのかっていうのは考えるようになりました。中高生の時も、精神的に落ち込んだ時にも、社会人になってからも、音楽に勇気をもらってきたので。自分にできるのは歌とアコギだけではあるんですけど、もしかしたら自分の曲で救われる人がいるかもみたいに意識して、最近は演奏してます。
演奏について

——結構安定感のある演奏ですよね。

昔にSHOWROOMっていうアプリで1000日間連続毎日配信っていうわけのわからないことをやっていた時期があったんですね(笑)。もちろん毎日やるんですけど、自然と練習になっていたので、気が付かないうちに上手になっていたところはあるかなと思っています。
ただ、スランプの時もあってそれを根性で乗り切ろうとしてた時期もありまして(笑)。なので、最近はひそかに裏で練習してるみたいなところも結構あります。
VRChatとの出会い

——ちなみにいろいろな媒体を渡り歩いていたわけですが、なぜVRChatをやろうと思ったんでしょうか。

ぶっちゃけた話、YouTubeみたいな大きい媒体で戦うよりも、VRChatみたいにまだ知られていない媒体ならまだ自分が輝けるかもしれないと思ったんですよ(笑)。ちょっと考えが浅いですよね(笑)。「みんなめっちゃうまいやん……。調子乗ってたわ……」てなりました(笑)。それこそ自分よりめちゃくちゃ若いのにめちゃうまな人たちがゴロゴロいて、「これは井の中の蛙(かわず)どころじゃないぞ」ってだいぶ衝撃を受けた記憶があります。
演奏中の工夫

——演奏中に工夫していることなどあるでしょうか。

もちろん自分自身が楽しむのはもちろんなんですけど、やっぱり聴く人が1番楽しめるように結構意識してますね。
あとは、機材にだいぶ気合を入れていますね。VRChatで知り合った人からのオススメでマイクをBluebirdにしたんですよ。これで音質が良くなって、いつもより声のイメージを鮮明にできて調整がめちゃくちゃやりやすくなったっていうのもありました。でも1番変わったのは意識なんだろうなって思いつつ、それで必要な機材もそろえ始めたっていうところですね。

——確かにVRChatにはすご腕の方々がいらっしゃるので刺激を受けますよね。

将来の夢は武道館って語りながら活動を続けているので、やっぱりこのままじゃいかんなっていうのはまずありました。いろいろな方と交流するなかで、音楽だけじゃなくてグッズ制作やクリエイターとして活動されている方もいらっしゃるので、やっぱり意識が変わるなって思ってます。
皆さんが突き詰めて作品を作っているのもそうなんですけど、それだけじゃなくてどうやったら売れるのかっていう戦略面でも考えていらっしゃるので、全然自分は足りてないなっていうのはひしひしと感じています。
どう歌を聴いてほしいか

——本当にいろいろこだわりを持ってやられていることがわかりました。そんな演奏をどういう風に受け取ってほしいでしょうか。

そうですね。世の中の流れ的には、弾き語りっていうよりはきちんと編曲されて聴きやすいものがメインになってると思ってるんですよね。弾き語りはちょっとメインではないと思うんですよ。でもその弾き語りにやられた人間としては、ギター1本で原曲をどう表現するのかっていうのを試行錯誤しています。まだまだ成長過程で自分の目指しているところの2割にも満たないレベルではあるんですけど、試行錯誤しながら成長していく過程を一緒に歩んでくれたらうれしいなって思ってます。

——原曲をどう表現するのかっていうのは弾き語りの面白さでもありますね。

コード弾きだけだとやっぱり原曲の雰囲気が出せないので、ハイフレットの単音を入れてますね。そうするとめちゃくちゃ押さえにくくなるので、音が全体的に悪くなったりして本末転倒なことをやっていることもあるんですけど(笑)。
こういう風にどうやって聴かせるのかっていういのはすごく意識してるんですけど、どういう風に聴かせたいのかっていうところまで全然訴求できていないというか、練られてないのかもしれないですね……。

——最終的にどんな風になりたいっていうイメージはありますか?

今は本当に練っている段階で、最終的には聴いていて自然と心地よくなるというか、力がもらえるみたいなそういうところを目指してはいるんですけどね。でもそれをやれるだけの段階にはないです。まずは自分の納得できる形を作っていって、それが深く刺さる人にとにかく届いてほしいなっていう風には思っています。そこから輪が広がっていって最終的に武道館につながって、私の活動はやりきったって言えるような達成感になっていくのかなっていう風に見ています。
今のレベルだったら何を言ってるんだっていう話なんですけどね。本当にね(笑)。
機材について

——ちなみに、ギターは何を使っていらっしゃるんでしょうか?

YAMAHAのLL16を使っています。これには結構こだわりがあって、マイク部分でえぐい改造をしています。もともとエレクトリックアコースティックギターなので、ピックアップシステムが付いてるんですけど、これに対してAnthemっていうギター用の収音システムを取り付けてます。デフォルトでも生音に近い音は出るんですけど、それだけじゃなくて、指板をたたく音だったり、ボディーをたたく音だったりがきれいにとれるようにしています。
本当に大石さんのギターを再現するために奔走しまくって改造しています。(笑)。
オリジナル楽曲について

——ありがとうございます! オリジナル曲の『Re:スタート』についてもぜひ聞かせてください。

ネットオーディションを受けたことがあって、事務所に所属していた時期があったんですよ。そこでの企画の一つとして自分がアコギで作ってた曲を、改めて皆さんに音源化してもらったっていう流れでできたのがあの曲ですね。

——バンドサウンドに仕上がっていて驚きました(笑)。

影響を受けた楽曲にアニソン、ロック、ボカロもあって、水樹奈々さんも好きだったんですよね。大学時代に『魔法少女リリカルなのは』の劇場版が上映されてて、それにブーストされた感じもありますね(笑)。ただ、この曲に関しては何かを特別に意識したわけじゃなくて、高校からの友達でボーカロイドをやってる人に「お前もオリジナル曲を作れ」って言われまして、その時に培ったものからオリジナル曲として出てきた感じです。

——そうしたら今出ている『Re:スタート』はいくつかバージョンがあって、最終的なものがYouTubeに上がってるんですね。

そうですね! あとは、誕生秘話みたいなところでいうと、最初のバージョンは転調がなかったんですよ(笑)。めっちゃくちゃ単調な曲だったんですね。友達のボカロPに聴かせたら「お前この曲は転調しないと!」って言われてキーを三つ上げるとか、そういう工夫をしながら今の形にたどり着いてますし、最近は「ラスサビも少し上げるか」とかちょっと裏で画策してますね。
今後の目標や挑戦

——本当にいろいろ聞かせていただいてありがとうございます! ぜひ音楽面、活動面で今後の挑戦と目標を教えてください。

音楽面では、力を与えてくれるような音楽をやっていきたいなと思っています。思いっきり方向転換することはないと思うんですけど、ジャジーな方向にちょっと触れたり、取り入れたりすることはあるかもしれないですね。
ただ、ベースにはアニソンがありますし、感銘を受けた大石さんの楽曲によりつつ、自分が感動した世界観をよりブラッシュアップしていくような音楽性になっていくんじゃないかなと思います。深く刺さる人に向けてよりブラッシュアップをしていきたいですね。

活動面では、VRChatのライブとか、YouTubeライブ、リアルライブとかいろいろありますけど、実際の生演奏で聴いてくれる人と触れ合える機会を持ち続けたいっていう風には思っていますね。その活動を通じて、インタビューをしてもらったりとか、動画を作っていく取り組みとか、そういうところで知ってくれる人が少しずつ増えていったらいいなと思っています。

——武道館に関してはいかがでしょう。

10年20年かかってでもたどり着けたらいいなという風には思っています!
みなさんへのメッセージ

——最後に皆さんへメッセージをお願いします!

まずはもう、いつも聴いていただいて本当にありがとうございます。やっぱり聴いてくれる人がいないとこういうアーティスト業は成り立たないですし、モチベーション的な面でもずっと支えてもらっています。これからも、本当に長い道のりになると思いますけど、走り倒しますので、途中でこけるところもあると思いますけど、一緒にこの一つの夢っていうのを追いかけてくれたらうれしいなという風に思います。