拠鳥きまゆ氏について

ご紹介

VSinger 拠鳥きまゆ 氏

ロックへの情熱、「誰かを救いたい」という真剣な思い。VSingerとして活躍する拠鳥きまゆ氏は、シャウトの入ったラウドロックから電波系ソングまで、幅広い楽曲を歌い通してきた。「自分の歌をうまいと思ったことは1回もない」と言いながらも、己の歌と徹底的に向き合い続ける拠鳥氏に音楽との出会いから今後の目標まで、たっぷりと語ってもらった。

インタビュー全文

音楽との出会い

Tukkun

——本日はVSingerとしてご活躍されている拠鳥きまゆさんにインタビューができて大変光栄です。早速ですが、音楽との出会いを教えてください。

拠鳥きまゆ

音楽を聴くのが好きって意識をしはじめたのは、大体地球人年齢に換算すると中学生ぐらいの時かな……。当時からカラオケに行くのも好きでしたし、ニコニコ動画に上がっている「歌ってみた」とかもたくさん聴いていて。ただ、自分でやってみようって思った事は1回もなくて、もう完全に見る専でしたし……「半年ROMってろ」っていう言葉もあったじゃないですか(笑)。なので、なにかをするわけでもなく、見る側(がわ)としてずっと楽しんでいました。

Tukkun

——そこから音楽をやってみようと思ったきっかけってなんだったんでしょうか。

拠鳥きまゆ

まずはロックを好きになったきっかけからお話しさせてください。Geroさんっていう歌い手さんがいるんですけど、その方のライブに行ったんですね。ライブハウスの「ラ」の字も知らない状態で飛び込んだんですが、その時にドラムの振動やギター・ベースが奏でる音の波をじかに浴びる経験をしたんです。終わった後の爽快感や、耳鳴りの音は今でも覚えています。元々ボカロやアニソンを始めとした色んな音楽を好きなように聴いていましたが、「ああ、ぼくってロックが好きなんだ」とその時に強く感じました。そこからはRADWIMPSさんやBUMP OF CHICKENさん、他にも自分がかっこいいって感じたロックバンドを手当たり次第聴いていきました。

拠鳥きまゆ

そんななか、PENGUIN RESEARCHさんに出会って、「この人たちの曲、自分で歌ってみたい」「この人たちみたいになりたい」って思ったんです。だから「この人たちみたいにバンドを組もう!」って。ただ、p-guin星はすごい田舎だったんで、そもそもバンドやってる人自体が多くなくて……。取りあえずカバーができるバンドを見つけて、スタジオに入って合わせて歌って、とにかくバンドをするっていうのを趣味で楽しんでいました。

Tukkun

——なんでPENGUIN RESEARCHさんだったんでしょうか。

拠鳥きまゆ

初めて聴いた時、目の前が拓ける感じがしたんです。「負けても、汚れても、絶対諦めないからな」みたいな、そんな姿勢がすごくかっこよくて。彼らの事を知ってからは、1曲、また1曲と、むさぼるみたいにPENGUIN RESEARCHさんの曲だけを聴いていました。

拠鳥きまゆ

それと、当時すごく大好きなネットの友達がいて、その子がPENGUIN RESEARCHさんを教えてくれたんですよ。インターネットの友情って結構もろいので、今はもうやりとりできないんですけど……。今でもその友達の事は好きだし、元気かなって思う日もあります。表に立って音楽をやりたいって思った理由の一つとして、その子に見つけてほしいっていうのもあったような気がします。いつか本当に見つけてくれたら、音楽がつないでくれた奇跡って感じがしてすてきですよね(笑)。

オリジナル曲について

Tukkun

——オリジナル曲についても教えてください。特に最近の楽曲はロックな曲が多いなと感じました。シャウトまでしていて驚きました。

拠鳥きまゆ

『雷鳴前夜』『The Crumble』とかは割と重めのラウドロックに踏み込んだ感じですね。元々ONE OK ROCKさんとかMY FIRST STORYさん、coldrainさんが好きで……。ただ、自分に歌えるかどうかは別だよなあって考えていたんです。そんな風に思っていた時に、『絶絶絶絶対聖域』というシャウトが入っている曲のカバーに挑戦する機会があって。いつもお世話になっているクリエイターさんから、「シャウトできてるじゃん、やってみたら?」って言っていただけて、じゃあ、「やってみっか!」と思った感じです。

Tukkun

——そうだったんですね!

拠鳥きまゆ

シャウトの入ってる曲が元々好きなんです。憂鬱(ゆううつ)な時とか全部嫌になってる時ってこういう曲を聴くとすっきりするじゃないですか(笑)。それと、歌っていると自分のなかにある弱いところも曝(さら)け出せるような気もしていて。
前までは、オリジナル曲を作る時は「弱音を吐かないようにしよう」って意識していたんです。だから昔のオリジナル曲は圧倒的に前向きな歌詞が多いんですよね。だけど、今は「弱さを見せられる事も一つの強さだ」と思うようになって、そんな自分も見せていっている感じです。

Tukkun

——かっこいい曲が多い一方でかわいい曲や電波系ソングもありますよね。

拠鳥きまゆ

はい! かっこいいもかわいいも、両方とも味わってもらえるぼくでいたいと考えています。
かわいい曲や電波系ソングはいろいろとありますが、『あるこ〜る♡どりりあむ』は、特に色んな人に愛してもらえています。この曲はサウナで整ってる時に歌詞が“ビビビ!”と降りてきたんですが、そのテンション感も曲に表れているんじゃないかなって思っています(笑)。

Tukkun

——全体を通して自分の事を歌っている曲が多いですよね。

拠鳥きまゆ

なんていうか……生きていると、理不尽な事だったり、思い通りにならなかったりする事って本当に山ほどあるじゃないですか。ぼくがそう感じているのと同時に、世界中にいる人たちも同じように多種多様の葛藤を抱えながら生きていると思うんです。ぼくの想いや迷いを音楽にする事で、「それを言ってほしかったんだ」って。誰かを救えたら良いなと思いながら続けていたら、あまたのご縁のおかげで、オリジナル曲がたくさんできていました。

普段のインプットについて

Tukkun

——出力も多いという事なんですが、インプットも意識されているんでしょうか。

拠鳥きまゆ

意識してやっているつもりはないですね。でも、映画を見るのが元々好きですし、読書も好きです。後はゲームするのもすごい好きなので、感情を動かす色んなものに触れては来たのかなと思います。それに、ぼくはインターネット文化がすごい好きなので、p-guin星で引きこもってた時からずっとインターネット上に転がっているいろいろな感情をたくさん見て来たっていうのはあるかもしれません。

練習は……?

Tukkun

——各楽曲に合わせた表現力もすごいなと思っていますが、なにかボイトレなど練習はされていたんでしょうか。

拠鳥きまゆ

p-guin星で演劇をやっていたのと、お芝居がすごく好きなので、そこで表現力を身に着けたのかなって思います。
ボイトレに関しては『For,』『人鳥は雷震を運んで』で楽曲提供をしていただいたPENGUIN RESEARCHの神田ジョンさんから「相性のよさそうなボイストレーナーの先生がいる」という事で紹介をしていただいて、それからはずっとその先生に教わっている感じですね。
ちょうど『For,』を歌い終わった頃から通いはじめたのですが、その辺りから変わったねってファンの方に褒めていただける事が増えたかなと思います!

Tukkun

——本当に努力を怠らない歌うまVSingerですよね!

拠鳥きまゆ

最近は褒めていただける事もあるんですけど、自分の歌をうまいって思った事は1回もなくて。「自分が歌う理由ってなんだろう」って自問自答しながら、それでも結局歌わずに生きていく事はできなくて、ここまでやって来ました。ぼくには完璧主義なところがあって、自分の録音した歌を嫌になるぐらいには聴いて「ここは違う」「ここはうまくできたかも」なんていうのを延々とやって。同じ事をライブが終わった後にもやっています(笑)。まさにしらみつぶしにというか、こてんぱんにダメ出しをする気持ちで、いつも自分の歌を聴いています。

Tukkun

——真剣に楽曲に向き合ってる様子が目に浮かびます。

拠鳥きまゆ

オリジナル曲は全部自分のために生み出していただいた宝物なんです。ぼくは作曲をしたり、楽器を演奏したり、そういう音楽的な技能を何も持っていないんですよ。本当に携わっていただいた方々のおかげで、ここまで色んなものが作れていますし、皆さんが曲に心血を注いでくださった結果です。だから、自分の特別な宝物としていつも大切に歌わせていただいています。

歌をどう受け取ってほしいか

Tukkun

——本当にこだわりを持ってやっている事が分かりました。そんな歌をどう受け取ってほしいでしょうか。

拠鳥きまゆ

聴いてくださった人の“拠り所”になりたいと思っているので、その人が慰めてほしいなら慰めたいし、鼓舞してほしいなら鼓舞してあげたいですね。だから、楽曲もその人が受け取りたい形で受け取ってもらえたらいいなって思っています。
すごくおこがましいかもしれないんですけど、駆け込み寺というか……目の前にいる一人ひとりをぼくが全員救いたいなっていう気持ちで歌わせていただいています。

今後の挑戦や目標

Tukkun

——本当にいろいろ聞かせていただきましてありがとうございます。今後の挑戦や目標について教えてください。

拠鳥きまゆ

そうですね。経験を積み重ねてきて、歌えるものも増えてきたのでテクニカルな技術の要る曲にも挑戦していきたいなって思っています。それと、これまでオリジナル曲をたくさん出してきたので、今後はカバーももっと出していけたら良いな。

Tukkun

——活動上での目標などはありますか。

拠鳥きまゆ

今まで現地で2回ほどワンマンライブをさせていただいたんですけれど、生バンドを背負ってするライブを自分のなかで当たり前にしていきたいなと思っています。VTuberのライブとしては特別感がまだあるんですけど、それを当たり前にあるものとしていきたいといいますか。そういう意味ではバンドを組んでくれる人がいたらいいなって感じです(笑)。

みんなへメッセージ

Tukkun

——最後にみなさまへメッセージをお願いします。

拠鳥きまゆ

yorudomoは名前の通り友達のようでありながら、“拠鳥きまゆ”という物語を一緒に作り上げて言ってくれている仲間のようでもあると思っています。みんなの事を救いたいって思って活動をしているはずが、みんなに救われている事がすごい多いです。

拠鳥きまゆ

だからこそ、かっこいいところをたくさん見せて、みんなが拠鳥きまゆを見つけてよかったとか、拠鳥きまゆを好きでよかったって、この先何年も何十年たっても思っていただけるように。たくさん歌ってライブして、その時一番輝いている自分を届けていくので、これからも見ていてほしいです!

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