はなごろも氏について

VTuber はなごろも
兵庫県播磨を拠点に活動する”春系エンターテイナー”VTuber・はなごろも氏。幼い頃に見た「発表会でピアノを弾く夢」から始まり、ブラスバンドでの演奏経験、そしてカラオケの点数システムにのめり込んだ学生時代——気づけば音楽はずっと彼女のそばに。コロナ禍をきっかけに軽やかな気持ちで飛び込んだVTuberという活動でも、その音楽への愛は自然と形になっていく。等身大の魅力で多くのリスナーを惹きつける、はなごろもさんの音楽観にじっくり迫った。
インタビュー全文
音楽との出会い

——兵庫県播磨の春系エンターテイナーとして活動されているはなごろもさんにインタビューができて大変光栄です! 音楽に関わる部分についてぜひ聞かせていただきたいのですが、音楽との出会いについて教えてください。

保育園ぐらいの時期だったと思うんですけど、祖母の家から母親が引き取ってきたコンパクトグランドピアノがあったんですよ。そのピアノを母親が弾いているのを見ていたからなのか、私が発表会でピアノを弾いてる夢を見て「ピアノ弾きたい。発表会に出たい!」って母親にピアノを習いたいって言ったのが音楽との出会いでしたね。

それと、母親は吹奏楽でクラリネットをやっていたようですし、父親は何もやってないのかなと思いきやパソコンが大好きでMIDIキーボードを使って打ち込みを作っていたこともあったみたいなんですよ。なので、趣味ベースで音楽に触れる機会っていうのは結構あったのかなって思います。
それ以降は小中高でブラスバンドにいそしんでいたので、どっちかというと歌よりも演奏面で音楽に触れていることの方が多かったですね。

——最初は楽器奏者だったんですね!

そうですね。今でも実家に小学生の時に買ってもらったトランペットがあります。実は中学校に上がったタイミングでお琴もすごく魅力的に見えて、迷ったんですけど結局ブラバンで頑張ってました(笑)。ただ、浮気してホルンを吹いてたんですけど……(笑)。そこからはずっと音楽以外のことをしようとはならなかったですね。
歌との出会い

——ずっと楽器奏者だったとのことだったんですけど、歌とはどう出会ったんでしょうか。

小学校の高学年ぐらいだったと思うんですけど、友達とよくカラオケに行ってたんですよ。結構田舎だったので、居酒屋兼カラオケみたいなところに親と同伴ではあったんですけど、そこで歌ったっていうのが最初だったかなって思います。
そんな感じだったので、歌うことにそもそも興味はなくて、カラオケも誘われたから行ったっていうぐらいだったんですね。でもカラオケの点数システムを入れたら、最初は70点後半しか取れないのに、システムの言う通りにいろいろ改善していくと、点数が取れるようになって楽しくなっちゃって(笑)。中学生に上がっても自転車をこいで何十分かの距離にあるカラオケ店で3時間ぐらい歌ったり、大学に行ってからも開店と同時にフリータイムの限界まで歌い続けたりみたいなことはしていました!
活動のきっかけ

——そこからどうやって活動をしていこうと思ったんでしょうか。

活動のハードルはめちゃくちゃ低かったんですよ。というかないに等しかったですね(笑)。

——そうだったんですか!

元々コロナ禍で暇だったっていうのはあったんですけど、その時にLive2Dっていう技術をたまたま目にして、1回技術的なところが知りたいなって思って、彩瀬川カトレアさまにイラストをご依頼したっていうのが始まりでした。なので、実は配信しようとも思っていなくて、手元のカメラでグリグリ動かして遊ぶだけのつもりだったんですよ(笑)。でも、いいモデルでもあるし、コロナ禍で時間もあるから「ちょっとやってみるか」でVTuberを始めてしまったので、本当にハードルはありませんでした(笑)。

活動当初は歌の活動もしていなかったんですけど、活動を続けていく上で「そういえば私って音楽も好きだよな」って思い出したんですよ。あとは他のVTuberさんを見てるとカラオケ配信っていうのがあるっていうことを知ったので、歌の活動も「ほなやるか」ぐらいで始めています(笑)。

——技術始まりってすごく珍しいですね……!

本職がITエンジニアなんですけど、大学に入ったぐらいの時に「ITが私の道だ」って突き進んでいったので、その頃から知的好奇心というか、目に入ったものは気になるっていうのがあったのかなとは思います。それこそ文章も絵もできないのに、個人サイトを作るっていうこともやってて、本当にLive2Dもその延長でした(笑)。

——そもそも配信者とかは見ていたんでしょうか。

父親がパソコンオタクだっていう話をさせてもらったんですけど、父親が持ってた余ってるパソコンを借りてメイプルストーリーを隠れてやったり、FLASHを見たりとかしていたので、ニコ動ももちろん見てました(笑)。その関係で歌ってみたもニコ生主さんも知ってはいましたね!
オリジナル楽曲について

——ぜひオリジナル楽曲についても聞かせてください。どれもすごく本人のキャラクターに合っているなと感じました。

私が歌に色を付けるっていうよりは、その歌に私が合わせに行っているっていう方が正しいのかなっていう感じはしてますね。『コトノハマトウ』と『影を、追う。』はボカデュオで作った楽曲でもあったので、それぞれキャラクターが違うんですけど表現しやすい曲だったかなと思います。それとは別に『ゆるり、はなびらまって。』『ビバ!!播磨道』『満開ときめきチャージ』はコンセプトを決めて作ってはいるんですけど、やっぱり私が合わせに行って歌っているかなと思います。

——ある意味自分の声を楽器として捉えている側面があるんですね。

私ってSound Horizonさん、梶浦由記さんが好きなんですよ。この方々にもいろいろな楽曲はあるんですけど、声も楽器の一つだって捉えてるところがあるので、そこに感化されてるのかなっていうのはあります。でも、かといって楽曲に埋もれてるわけではないので、良い感じに声をサーフィンできたらいいなっていうのは考えていますね。曲と自分の声を合わせた時のシンクロニティ的なところに長年影響されてるかなって今話しながら感じていました。

あとは、中学生の時にホルンをやってた話をしたと思うんですけど、ホルンって裏拍をずっと吹いてたり、主旋律のハモりを吹いてたりするので、そこの影響もありますかね。最初は面白くないなって思ってたんですけど、案外刺さっちゃいました(笑)。本当に縁の下の力持ちが好きなのかもしれないですね。あんまり、前に出ようとかスポットライトを浴びようかって思わないんですよ。それが音楽にも反映してるのかな。

——本当に楽曲となじんだ歌声で聴きやすさもありますよね。

作品を作る上で、メロディーラインをなぞるっていうのは誰にでもできると思うんですよ。でもそうすると、楽曲のテーマとか、オケとのなじみ、歌い回しはこうした方が楽曲として盛り上がるなっていうのが抜けちゃうと思うので、この辺りは意識しながらやってますね。喜怒哀楽みたいなものがないと平べったくなっちゃうと思ってます。

聴きやすさっていうところでは、歌う時も普段のしゃべりも声を作っているとかではないですし、昔から「お前よう声通るな」とも言われていたので、持っているものもあるかな……? ただ、声の柔らかさみたいなところでいうと『うたわれるもの』の主題歌を歌っていらっしゃるsuaraさんが大好きで、そこを目指しているというか、無意識に寄ってるのかなっていうのはありますね。
『ビバ!!播磨道』について

——兵庫県播磨の春系エンターテイナーというところでは、ぜひ『ビバ!!播磨道』について詳しく教えてください。どんな経緯で作られたんでしょうか。

最初は大阪で仕事のために一人暮らしをしてたんですけど、コロナ禍の終わりぐらいに会社は原則出社になっちゃったし、大阪って人も多いしって思って地元に帰ろうかなっていう気持ちで姫路に戻ったんですよね。それからいろいろ地元っていいなって気づかされて、特に播磨灘って瀬戸内海に面しているのでお魚もおいしいし、揖保乃糸もたつの市にあって本当に食べ物がおいしいんですよ。そんな感じで「地元が好きだなー」って思ってたタイミングとVの活動を考えた時に、やっぱり関西全体で見ると大阪とか京都、兵庫でも神戸の方にスポットライトが当たりやすくて……。播磨地方(明石、姫路)にもスポットが当たってもいいなと思って、地元を盛り上げたいというか、私が愛を叫ぶ歌というか、VTuberとしてもそれをやりますってなった時にこの電波曲ができたっていう経緯があります!

おかげさまでライブとかでも結構盛り上がるのですごくうれしいですね!
今後の目標や挑戦

——本当にいろいろ聞かせていただきまして本当にありがとうございました。ぜひ今後の目標や挑戦についても教えてください。

Suaraさんみたいな歌声を目指している中で、やっぱりあの厚みとか温かみが足りないと思っているのとビブラートのかけ方が甘いなっていうのはちょっと思ってるんですよ。先ほどもお話したように、歌声と地声を明確には分けられていないので、その際にロングトーンが伸ばせないっていうか、厚みが出ないというか、そこが長年の課題ですね。ずっと吹奏楽をやっていたので、肺活量自体はあんまり落ちていないっていうのを考えると、やっぱり技術力ですよね。好きなアーティストさんのように歌声を響かせたり、声を楽器として歌ったりするならそこは課題だと思っています。

あと、来年のM3で個人楽曲のアルバムを出そうと思ってるんですよ。今コンポーザーさん何人かに声をかけて作ってもらっているんですけど、そのテーマが“兵庫五国”なんですね。そうすると私の住んでる播磨だけじゃなくて、もっと色んな地方のお話が入ってくるので、地方ごとの色とか、雰囲気を歌とか楽曲に乗せて旅をするみたいなものを作りたいと思っています。現在制作中です! 例えば、淡路は国生みの島って呼ばれているので、そういう神話的な要素も入れてみるとか、そんな感じで8から9曲ぐらいのアルバムを作ります!

——活動的なところではいかがでしょう。

例えばワンマンをやりたいとかチャンネル登録者なんぼっていうような話よりも、VTuberをしていて発信したいものを発信したいなって思っています。兵庫県の良さとか、楽しさ、美しさっていうところを伝えるのが、何よりやっていて楽しいし幸せではあるので、地元に貢献できたらいいなっていうのは考えています。実際にリスナーさんが姫路に遊びに来てくれたり、動画で出した場所に行ってくれたりしているのでいくつか達成しているものもあるんですけど、これからもやっていきたいですね! 私がっていうよりは、私が好きな地元が伝わればいいなっていうのはありますね!
地元でなにかPR系のイベントができたらいいなっていうのはもちろんありますけど、それがもしなくても私の好きを発信しますのでって感じです。
皆さんへメッセージ

——最後に皆さんへメッセージをお願いいたします!

VTuber6万人時代って言われてるんですけど、そんな中で見切り発車だったし「武道館を目指します」みたいな大きな目標があって「付いてこい!」みたいな感じじゃないゆるいVTuberを見つけてくれたことには本当に感謝しかないです。その分、私の等身大を包み隠さず見せていても、その等身大を受け入れてくれるリスナーさんが多いんだなって改めて思いました。

あと、来年のM3に向けて頑張って曲を出します。9曲全部作詞するので、作詞は終わってるんですけど、覚えて歌わないといけないので……! 私のこういうものを作りたいっていうのを押し付けてるかもしれないんですけど、頑張ります!