妖刀クロハル(黎凪 ーくろなぎー)氏について

シンガー 妖刀クロハル(黎凪 ーくろなぎー)
家族の“カラオケ好き”がきっかけで歌に親しみ、声優を目指す中でボーカロイドと出会って音楽への情熱を深めた妖刀クロハル氏。「日本語を忘れないため」に始めたVRChatでの活動が、やがて「Linkage」でのシンガーデビューへとつながっていく。「シンガー自身が楽しまなきゃお客さんには伝わらない」という信念で歌う妖刀クロハル氏に、これまでの歩みとこれからの目標を語ってもらった。
インタビュー全文
音楽を始めた理由について

——シンガー活動を中心にクリエイター活動もしている妖刀クロハルさんにインタビューができて大変光栄です。早速ですが、音楽を始めた理由について教えてください。

特に習い事とかはしていなかったんですけど、母方の家族がもう大のカラオケ好きで、音痴だろうがなんだろうが歌うことが楽しくてしょうがないっていう家族だったんですよ(笑)。当時は娯楽の一つでしかなかったんですけど、音楽を活動していく上で、影響があったのは間違いないですね。

あと詳しくは覚えてないんですけど、子どもの頃に俳優とか役者になりたいなって思ったことがあるぐらいです。大学生の頃にもそういう思いがあって、カラオケ大会とかに出たことがあります(笑)。でも、パフォーマーとして動き始めたのは本当に最近です。
VRCとの出会い

——VRCでも積極的に活動されていますよね。

そうですね。VRCと出会ったのは本当に偶然で、なんとなく日本人と交流できそうなゲームないかなって考えていたんですよ。そうしていたら、6年前偶然VRCに出会ったっていう感じです(笑)。でもやっぱり「VR」って名前が付いてるからVR機器ないといけないかなって思っていたんですけど、実況者さんの動画とか見てたらデスクトップでも入れるってことがわかったので、インストールしました。

——最初は語学のためにVRCに来たんですね!

そうですね。日本人との交流と日本語が下手にならないようにするために入ってきました。

——6年前にVRCへ入ってきたということでしたが、その時期は日本人に会うのが結構大変だったんじゃないでしょうか?

当時からJPT(Japan Tutorial World)はあったのでそこに行きました。その時なんとなく声をかけてみた人がたまたま日本人だったので、運が良かったとは思いますね。
邦楽との出会い

——その時から日本の曲が好きだったんでしょうか。

日本語の授業を受けてる同じ趣味を持ってた仲間がいたんですけど、たまたまボーカロイドの話になったんですよね。そこでボカロを知った感じです。もうハマっちゃいましたね。毎日アニソンとかボカロを聴いてました(笑)。

——最初、ボカロに出会った瞬間は衝撃だったと思うんですが。

最初に聴いたのが『ブラック★ロックシューター』だったんですけど、人間じゃなくて機械が歌ってるっていうことそのものに驚きましたよね。
声優専門学校時代

——声優の専門学校に通っていたっていうお話も伺いましたが。

そうですね。歌手っていうよりは最初に声優になりたいなっていうのが最初でした。今の時代って、声優さんも歌手をやったり、アイドルをやったりマルチクリエイター的に活動されているじゃないですか。私もそうならないといけないよなと思って、歌に興味を持ったっていう感じですね。それが日本語を覚えるきっかけにもなりました。

——N1も取得されて、日本で声優としてやっていくっていう覚悟もすごいですよね。

イントネーションとかアクセントとかは一番難しかったですね。学校に通っていた時には毎日のようにアクセントを矯正していたのでちょっとしんどいなとは思っていました(笑)。あとは演技っていうところにもつながるので、日本語ではっきりとしゃべるとか、コミュニケーションを取るっていうのがやっぱり大事だっていうのは改めて感じています。
なぜシンガーに

——シンガーになろうと思ったきっかけはなんでしょうか。

3年前ぐらいなんですけど、なんとなくVRCのイベントに関わってみたいなって思ってたんですよ。これもなんとなくカラオケワールドに行って歌っていたんですけど、フレンドさんから「そんなに歌がうまいんだったらイベント出てみたら?」「フレンドにイベントしてる人いるから今度声かけてよ」って言ってもらったんですよ。そこで紹介してもらったのが「Linkage」で、そのままデビューまでいったっていう感じです。だからシンガーになったのは割と最近なんですよね。

——最初は相当緊張されたんじゃないでしょうか?

緊張してないって言ったらうそになりますけど、程よい緊張感を持ちながらできたかなって思います。でもやりたいことでもあったし、挑戦してみたいことでもあったので、楽しまなきゃっていうマインドでもありました。
歌について

——声も通りますし、声量も確保されていて聴きやすいですよね。

声量に関してはずっとボイトレをやっていた結果なのかなとは思ってます。肺活量があれば、難易度の高い曲を歌う時にも息継ぎとかで困らないので、結果としていろいろなジャンルに挑戦できるような土台作りになったのかな……。

——どのように楽曲を練習していくんでしょうか。

まずメロディーを理解するために母音だけで歌ってからリズムとかタイミングをつかんで、体に覚えさせているような感じです。そこからきちんと歌詞を入れて歌って、歌詞の意味を理解していくっていう手順で覚えています。その後に、繰り返し自分の歌を聴いて音程を合わせていくような感じになります。

——自身のパフォーマンスで大切にされていることはなんでしょうか。

「シンガー自身が楽しまなきゃお客さんには伝わらない」っていうところですね。自分が一番楽しむところを見せないと、お客さんも盛り上がらないかなって思います。そこが必要最低限ですね。
あと以前声優の学校に通っていて、そこでの経験も活(い)きているんですが、物語を真っすぐに伝えたいって思っています。物語を一緒に見てほしいというか、世界を一緒に冒険するっていう感じで、お客さんを巻き込んで歌を伝えたいですね。

——影響を受けているミュージシャンについても教えてください。

特にこの人から強く影響を受けているっていうのはないんですけど、とにかく一緒に共演してくれている演者さんもそうですし、みんな違ってみんないいなと思いながら見てますね。みんなが自分らしさを持って活動しているので、それを受けて自分も個性を持って活動していかないといけないなって感じていて、そういう意味では全員からちょっとずつ影響を受けているような気がします。

——ちなみに憧れのシンガーさんなどはいるでしょうか。

具体的にこの人っていう方はいないんですけど、歌いたい曲をどういう声の使い方をしていて、どういう表現をしていているのかっていうのは徹底的に見ますね。そこからどうやって自分のものにするかっていうところまで練習しています。
練習熱心

——クロハルさん結構練習熱心ですよね。

練習熱心というよりは、その曲を表現するにはできるだけその曲を理解していなきゃいけないよねって考えています。歌い方を学校で習ってきてるんですけど、その中でも一番覚えてる言葉が「母音が音楽を作る。子音がドラマを作る。合わせると音楽ができる」っていう言葉でした。

——確かに歌う時の発音がすごくきれいですよね。楽しそうにも歌うので、見ていて楽しいです。

歌がうまい人って大体楽しんでる人なんですよね。それこそ楽しむっていうところでは、Linkageのライブで音源が流れなかったことがあったんですよ(笑)。でも、ここで止めたらそれが失敗になっちゃうと思って、最後まで全力で楽しく歌い切ったんですよ(笑)。そうしたら、皆さんからの評判が良くてすごい褒めてくれたんですよ。すごく楽しかったなって思ってますし、だから続けてるなって感じています。
これからについて

——ぜひクロハルさんの今後についても教えてください!

それこそ、大きいイベントに出られるようになりたいですし、一応歌い手活動もしているので、もっと積極的に動画を出せるようになりたいですね。そのためにも歌のレパートリーを増やしたいですし、自分の魅力を引き出せる歌も増やしたいですね。
でも実は自分のシンガー像っていうのがぼんやりしてるところがあるので、自分で方向性を決めるのはもちろんなんですけど、お客さんにもどういう曲が合うのか聞いてみたいなって思ってます。

最終的には、どんな歌を歌っても、それを聴いたお客さんがすぐに共感できるような、そんなシンガーになれたらいいなって思います。
みなさんへのメッセージ

——ありがとうございました! 最後に皆さんにメッセージをお願いします。

僕のライブや歌を聴いて、歌の世界を一緒に旅するような気持ちで聴いてほしいです! 見てくれている人、ライブを見てみてくれた人、とにかくその応援にものすごく感謝していますし、これからも応援よろしくお願いします!