AiSA氏について

歌い手 AiSA 氏
オーディション落選、ブラック企業でのパワハラ、コスプレイヤーとしての挫折……。音楽経験はほぼゼロ。レコーディングのたびに涙を流しながらも、ライブでは圧倒的な声量で観客を沸かせる歌い手・AiSA氏。夢をを真っすぐに見据える彼女の歩みと夢を語りつくしてもらった。
インタビュー全文
音楽との出会い

——歌い手として活動されているAiSAさんにインタビューできて大変光栄です! 早速ですが音楽との出会いについて教えてください。

ちゃんとピアノを習っていたとか、軽音楽部に入っていたとか、そういうことが全くなくて……。ただ、幼稚園の頃からアイドルになりたいという漠然とした夢はあって、親の前で歌ったり、中学になってからは演劇部に入ったりしていました。なので、ステージに上がるような場慣れはあった感じですね。その頃にニコニコ動画と出会って歌い手の存在を知り、家で歌うようになりました。

——そうだったんですね! そこからはいかがですか。

当時流行っていたうごくメモ帳に投稿をしていて、歌い手もどきのようなことをやっていました。そんな経緯もあり、ほとんどカラオケをしていただけの人間なんです。ただ、本当にインターネットカルチャーが好きで、昔は活動者っぽいことを試行錯誤しながらやっていました。
歌を活動に

——趣味ベースでやっていたということなんですけど、歌を活動にしようと思ったきっかけってありますか。

うごくメモ帳で知り合った男性がいて、その方の声がとても良かったのでお近づきになりたくて仲良くなったんですが、その方が突然ボカロPを始めたんです(笑)。今やすごい人気のボカロPになっていて驚いています。その方に「すごく声がいいね」と褒められたことがあって、自分もそんな風に活動者側に行きたい、活躍したいと思ったのが最初のきっかけですね。

——ぜひ続きを聞かせてください。

さっきアイドルになりたいと言ったんですけど、昔から歌うことや何かを表現することがとっても好きでアイドルのオーディションを受けていたり、もともとコスプレイヤーとしても活動していました。その中で挫折があったんです。コスプレイヤーをやっていた時は、ルックスで全ての価値が決まる世界にいました。
活動する中で周りと比較して自分は潮時だと感じていて。
私なりの表現がしたいのに生まれ持ったものでそれができない世界に歯痒(はがゆ)さを感じていましたし、もう表に出て活動するのは厳しいかなと思っていました。

あとは、当時働いていたところがブラック企業で心が病んでしまい、自分自身のメンタルがどん底まで落ちていた中で、とあるアイドルのオーディションを受けたのですがこのオーディションに受からなかったら「夢を追いかけるのはもうやめよう。」と思っていました。
そのオーディションはいいところまで進んだのですが結局落ちてしまって……。

——そうだったんですか……。

でも、落ちた時期とちょうど同じ時期に、さっきの方とは別のボカロPさんから「歌が歌えるんだから歌い手やりなよ。」と言われて、それがきっかけになって歌い手になりました。
本当に歌い手を始めていなかったら腐りきってダメになっていたんじゃないかと思います。それくらい精神的に疲弊していて、何かを表現できないならもういなくなった方がいいと思っていました。でも戦える場所がまだ残っていて良かったです。
ほぼ未経験からの歌い手活動

——そうするとほぼ未経験からの歌い手活動だったわけですね。

そうなんです。やはり音楽経験がなかったので、休符とかロングトーンとか、ブレスとかも全部わからなくて、最初のレコーディングはうまくいかない自分が悔しくて録音しながら泣いてしまいました……。

今でもレコーディングエンジニアさんを付けてレコーディングしているんですが、やはり褒められることはほぼないんです。結構癖のある歌い方なので、「このままだとライブで恥をかくことになるよ」とか「歌がひどすぎてMIXが大変なんだよ」とか「まずはカラオケでうまくなってから活動したら」とかさまざまなお𠮟りを受けながらレコーディングをしていました。ボイトレに通ってはいるんですが、まだまだ至らない点が多いです。

——歌い手界隈の評価軸はまた独特なんでしょうか……。

歌い手界隈は歌のテクニックそのものが評価されやすい傾向にあって、それぞれの曲に合わせた歌い方なども評価されます。なので、私がそのままのキャラクターでドーンと歌うのはあまり評価されないというか、よく思わない方も一定数いらっしゃると思っています。
結局は好き嫌いだと思うんですけど、私はロックな歌唱方法が好きで、LiSAさんやSPEEDさんなどの平成アイドルが好きなんです。だから他の歌い手さんと比べると、ちょっと系統が違うのかなと思ったりします。
歌ってみたについて

——ぜひ出されている歌ってみたについても聞かせていただきたいんですが、結構選曲がいろいろですよね。中には『ビビデバ』も歌われていて結構難しかったんじゃないかなと!

『ビビデバ』に関しては泣きながらレコーディングしました……。しかもMIX師さんに「全部の音をいじっているから、もっとお金欲しいぐらいだよ……」とすごく怒られていたので、聴いていただけてうれしいです。何度も何度もエンジニアさんにアドバイスをもらいながら録り直しています。

——それにどの曲も結構曲に馴染(なじ)むように歌われていますよね。

曲ごとに自分の声や雰囲気、歌唱法をちょこちょこ変えていまして、『心象カスケード』とか『ラブ&デストロイ』みたいな心に刺さるような曲は、地声のざらざらした部分をなるべく使って感情が乗るようにしています。逆に『ワールドイズマイン』とか『ロミオとシンデレラ』みたいな曲は自分の声の中で明るい要素を使って、声も張り上げてかわいいニュアンスを入れながら歌う感じで、曲ごとに歌い方を変えています!

——そしてかなり原曲を意識した歌い方ですよね。

ボカロPさんって「人に歌わせたらどうなる?」とか「こういう風に歌うんじゃないか」とか、そういうイメージが多分あると思うんです。ボカロの調声から聴いていると分かるニュアンスがあるんですが、それを聴き込んで反映するようにしていますし、それに合わせて私が歌ったらどうなるのかということは意識しています。

——ちなみに、歌ってみたの選曲基準ってありますか。

曲ごとに違うというか、まちまちではあるんですが、旬な曲を選ぶ時もありますし、『ワールドイズマイン』とか『ロミオとシンデレラ』は小学生の頃から歌っていたというのもあり選んでいます。あと『神っぽいな』に関しては、本当に歌詞みたいに皮肉めいた気持ちになった時があったので、自分の心情に合わせて録音するようなこともありますね。
ライブのAiSA

——ライブの映像も見させていただいたんですけど、動画の何倍も声量があって驚きました!

実はライブで歌っているのが私の本来の姿で、動画にするとMIXをきれいにしてもらうので仕上がりが控えめになっているんですが、ライブだとグワーっという感じで力強く歌っています。観客の方からは「歌ってみたと違って生歌もいいですね」とか「こっちも荒削りでかっこいいですね」と言ってくれることも多くて、これはこれでありなんじゃないかというか、ライブ感があるかなと思っています。自分を解放してパワー全開という感じです!

——声量に関しては結構練習されたんでしょうか。

歌として練習はしていなかったんですが、ここで演劇が活きてくる感じですね。マイクがない状態でホールに声を響かせないといけないので、そうするとものすごく大きな声が必要になります(笑)。小さい頃から大きい声を練習していたので、ライブの時の強みになっているのかなと思います。
これからの目標や挑戦

——本当にいろいろ聞かせていただいてありがとうございました。ぜひこれからの目標や挑戦について教えてください。

もっと技術を身に着けて、今まで挑戦してこなかったバラードとか、しっとり歌い上げるような方向性を完成させていきたいというのが一つの目標です。これまで直線的に歌っていた部分が多かったので、静かな曲にも対応できるように歌の幅、ジャンルの幅を広げていきたいと思っています。
あとはオリジナル楽曲を出したいというのがあって、歌い手という枠ではなくシンガーに近づいていきたいですし、そういった一面も見せたいですね。それにユニットも組みたいと思っていて、ボカロPさんとか組んでチームとしてオリジナル楽曲を作りたいですね。YOASOBIさんみたいなイメージです!

——ちなみにどんなオリ曲を作りたいとかってありますか?

ボカロPさんと組んでチームとしてオリジナル楽曲を作りたいですね。EDMというか、平成アゲアゲみたいな曲がいいです! そういう曲を作っている人や、そういうユニットも最近はあまりいないので、ここでしか聴けないジャンルを作りたい気持ちでいます!

——他にはあるでしょうか。

本当に大きな夢なんですが、メジャーデビューしたいなと思っています。いつかはタイアップなどできたら…。歌い手という枠からだんだんとシンガーとして確立していきたいです。ネットの活動者から活躍されている方もたくさんいるので、頑張りたいです!
オーストラリアへ

——オーストラリアにも行かれますよね! ぜひコメントを頂ければと思います。

アニメやボカロカルチャーが好きな海外の方が本当にたくさんいらっしゃると思っていて、技術とか関係なく心で通じ合えるようなライブをしたいと思っています。歌って聴かせるというよりも、現地の人たちとワイワイ盛り上がりたい、パーティーしたいという気持ちでできたらうれしいです! そういう意味では、アニソンカルチャー、ボカロカルチャーの良い面をお届けできるよう代表として行っている気持ちなので、「世界進出します!」じゃなくて、オタクカルチャーの伝道師だぞという気持ちでおります!

そのためにも歌を届ける努力が必要なので、ボイトレもしっかりやって、パフォーマンスに向けて体力作りやビジュアル面を整えて挑みたいと思っています!
最後にみなさんへメッセージ

——最後にみなさんへメッセージをお願いします。

いつも未完成な私を応援してくださりありがとうございます。私の人としての成長過程だったり、歌の成長過程だったりを目の当たりにしていただけるというのは、ファンの方ならではの特権というか、未完成だからこそ見届けられる部分もあるのかなと思っています。結構弱音を吐いてしまうような弱い部分もあるんですが、リスナーさんたちに本当に優しくしてもらっていて、メンタルの面でも支えてもらっています。みなさんに向けて一歩ずつ成長する姿を見せていきたいと思っています。これからも見守りよろしくお願いします!
関連リンク
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https://lit.link/Aisavomit - SMASH! 2026
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