概要

Tatsh × DJ MURASAMEの2026春M3の頒布情報に加え、制作の裏側を語った本人へのインタビューも掲載しています。

TatshMusicCircle 2026年春M3頒布情報

イベント情報

  • 日程:2026年4月26日(日)
  • 会場:東京流通センター(TRC)第二展示場2F
  • 配置:コ21ab「TatshMusicCircle」

新譜『BEYOND THE WAVE + TECHNO-MATRIX / DJ MURASAME』

TatshMusicCircleサイドとDJ MURASAMEサイドによる、別名義ハイブリッド2枚組アルバム!

  • 全28曲収録(2枚組)
  • 総収録時間:約1時間57分
  • イベント価格:4,000円
  • ショップ価格:4,800円(税込)

参加ゲスト一覧

  • 彩音さん
  • NAOKIさん
  • Reyunaさん(HiiT FACTORY)
  • Sennzaiさん
  • ChumuNoteさん
  • sakさん
  • 88niaさん
  • 小田ユウさん

アイドルマスター提供楽曲『Day of the future』のセルフカバーも収録!

新譜『FREE CONNECTION3 / DJ MURASAME -DRUM’N BASS STYLE-』

DJ MURASAME名義によるドラムンベース作品。全曲BPM163で統一された、疾走感ある1枚。

  • 全28トラック
  • 総再生時間:約23分40秒
  • イベント価格:2,000円
  • ショップ価格:2,400円(税込)

M3当日特典

当日、2作品を同時購入された方には以下の特典をご用意!

  • FREE CONNECTIONシリーズ(1〜3)楽曲を使用したスペシャルDJ MIX
  • 全楽曲ライナーノーツにアクセスできるQRコード付きカード

その他情報

事前予約・通販、海外からの購入、取扱ショップ等の詳しい情報についてはTatshBLOGを参考にしてください。

TatshMusicCircle Tatshが語る、2026春M3新譜の裏側

今回の出展、頒布内容、思いについて

Tukkun

——今回、M3に向けていろいろお話を伺えればと思います。まずTatshさんにお話を聞けて大変光栄です。今回はかなりボリュームのある出展内容、新譜になっていますね。

Tatsh

『MASH VP! Re:VISION』という音楽ゲームの開発に携わっていた時期がありまして、2025年春のM3ではそのサウンドトラックを出したんです。その次の2025年秋M3では『MASH VP! Re:VISION』としての出展はなくなったので、TatshMusicCircleで出ようと思っていたんですが、さすがに急すぎて見送りました。ただ、その時点で制作自体は始めていて、それなら「今回はしっかりたくさんの曲を出そう」という流れになりました。

Tukkun

——もう何度もイベントに参加されていると思いますが、今回のM3も含めて、どのような思いで作品を作られてきたのでしょうか。

Tatsh

初参加は2008年のコミックマーケットでした。そこから長く同人音楽の流れを見てきましたけど、自分はあまり流行を追いすぎないようにしてきたんです。流行に寄せて作ったこともありましたが、思ったほど良い結果につながらなかったこともあって。やっぱり最後は、自分らしさを大事にしてここまで作ってきた感覚がありますね。

MASH VP! Re:VISION 販売ページ
https://store.steampowered.com/app/2928330/MASH_VP_ReVISION

同人音楽シーンについて

Tukkun

——少し横道にそれますが、2008年から同人音楽シーンを見てきた中で、どんな印象を持っていますか。

Tatsh

新しいサークルさんは増えてますが、その一方で辞めていく人も多いですね。毎シーズン作品を出し続けるのは本当に大変なことだと思います。自分は音楽学校で講師をしていた時期もあって、生徒さんがM3に参加しているのも見てきたんですけど、1回から3回くらいで息切れしてしまう人が多いんですよ。続けていくこと自体が、決して簡単ではないんだなと感じますし、顔ぶれが変わっていく寂しさもありますね。

Tatsh

でもやっぱり、ああいう即売会独特の文化や空気が好きじゃないと、続けるのは難しいのかもしれません。本当は、「ここではない別の場所で作品を売りたいのでは……?」と思わせる雰囲気のサークルさんもいますし。

Tukkun

——1年間継続して出せるだけでも、かなりすごいことなんですね。

Tatsh

そう思います。初リリースは誰にとっても大変ですし、出したら、3カ月後くらいには次を考えないと間に合わないですからね。そこで息切れしてしまう印象はあります。自分の場合は、やっぱり作ること自体が心底好きなんだと思います。あれもやりたい、これもやりたいという創作意欲があまり枯れないタイプなので、続けてこられたんだと思います。

DJ MURASAMEの始まり

Tukkun

——今回、別名義であるDJ MURASAMEとしても作品を出されていますが、そもそもDJ MURASAMEはどのように始まったのでしょうか。

Tatsh

『beatmania IIDX 12 HAPPY SKY』が2005年の作品なので、ちょうど20年前ですね。このゲームにはサウンドディレクターとして関わっていたんですが、制作の途中で、収録曲の中にテクノ要素が足りなくなったんですね。ただ、その頃の自分はやっぱり歌モノがすごく好きで、自分はそういう音楽をやっていくべきだと思っていました。

Tatsh

KONAMIに入る前に所属していた音楽事務所でも、歌モノ以外は作っていませんでしたし。でもゲームにはいろいろなバリエーションの曲が必要だったので、そのために作った名義がDJ MURASAMEなんです。

Tatsh

かっこよく言うなら、「違う音楽を作っていたかもしれない、もう一人の自分」みたいな存在かもしれません。パラレルワールドというほどではないですけど、別の自分という意識はあるかもしれないですね。

新譜『BEYOND THE WAVE + TECHNO-MATRIX / DJ MURASAME』

Tukkun

——今回出される新譜のひとつ目、『BEYOND THE WAVE + TECHNO-MATRIX / DJ MURASAME』について、あらためて教えてください。

Tatsh

最初は10曲ずつくらいでいいかなと思っていたんですよ。でも2025年の冬コミで過去のCDを頒布していた時に感じたのが、今はそもそもCD自体が“買いたい”と思われにくい時代になってきているということでした。だからこそ、買った時に1曲でも多く入っていた方がうれしいし、お得感もあるだろうなと思って、入れられるだけ入れてみようと。結果、28曲になりました。

Tukkun

——それはかなりうれしいですね。

Tatsh

ただ、入らなかった曲もたくさんあるので、それらは今後、配信などでリリースできたらと思っています。

Tukkun

——ええっ! それも楽しみです。

Tatsh

作業が速いのは昔からなんですが、今回はさらにAIボーカルも導入したので、作業スピードはかなり上がりました。これまでは、曲を作ってアレンジして、ボーカリストの方に渡して、録音していただいて、その声に合わせてまたアレンジを調整する、という工程がありました。でもAIボーカルだとその流れが変わるんですよ。ボーカルトラックを先に作って、それに合わせてアレンジを組み立てたりもできるので、シンセメロを仮で置いて進めるより、ずっと速いんですよね。依頼費用がかからないという点も大きいです。

Tatsh

自分のルーツの話にもなるんですけど、バンドのように複数人で一つの音楽を作っていくのは、向いてないなと昔から感じていたんですよね。ああしたい、こうしたいという欲求が尽きないタイプなので、各パートを各メンバーで考えるより、アレンジもプロデュースも含めて全部自分でコントロールできる方が合っていました。

Tukkun

——AIボーカルという技術的な進歩もありつつ、豪華なボーカリスト陣も今回の大きな魅力ですね。

Tatsh

今回の新譜では、3名のボーカリストに参加していただいています。
彩音さんには、太鼓の達人の『旋風ノ舞』を歌っていただいたことがあって、今回も和風の曲を一緒に作りたいということで制作しました。ただ、単に和風というだけではなく、クラブでも映えるような力強いビート感を意識しています。DJの方が「これをかけたい」と思ってくれたら、ぜひどんどん使っていただきたいですね。

Tatsh

ChumuNoteさんは、『MASH VP! Re:VISION』の収録曲で歌っていただいたご縁があって、いつか自分のCDでもお願いしたいと思っていたんです。ミッドレンジのキーがとても魅力的なボーカリストさんなので、その持ち味が活きるような曲調で作りました。すごくかっこよく仕上がっています。

Tatsh

Sennzaiさんは、今回のM3でうちのスペースに委託参加されることになったので、せっかくならコラボしたいと思い、その美しい声がより響くような楽曲をイメージして作りました。

アイドルマスターへの提供曲『Day of the future』のセルフカバー

Tukkun

——そして今回は、アイドルマスターに提供された『Day of the future』をセルフカバーされたそうですね。こちらについても詳しく聞かせてください。

Tatsh

正確にはセルフカバーというより、自分でリアレンジしたかったんです。ただ、誰かが歌うとその人のカバーになってしまうじゃないですか。そうなると“Tatshカバー”ではなくなってしまうので、ある意味匿名性のあるAIボーカルを使って、サウンドそのものをより前に出す方向でアレンジしました。

Tatsh

元の曲もかなり作り込んでいたんですが、今回は自分の色をさらに濃く出したくて。原曲と比べると、Tatshらしさをかなり盛り込んだ仕上がりになっているので、ぜひ楽しみにしてほしいです。

視聴動画

2枚組にした理由

Tukkun

——今回、2枚組にした理由についても教えてください。

Tatsh

最初は別々のCDで出そうと思っていたんです。でもやっぱり両方買ってほしかったですし、別名義でそれぞれのカラーがしっかり出ている2枚組アルバムって、意外とないんじゃないかなと。あまり見たことのない形だと思ったので、ワクワクしながら作りました。

Tatsh

TatshMusicCircleの方は女性ボーカルをメインにしていて、遅い曲からアップテンポな曲まで、華やかでポップス寄りの方向性です。一方でDJ MURASAMEは、きらびやかさよりもダークなテクノ感を重視していて、しかも151bpmというルールを通したアルバムになっています。キャリアも長くなってきたので、それぞれ積み上げてきたカラーが、しっかり形になっているんじゃないかなと思います。

新譜『FREE CONNECTION 3 / DJ MURASAME -DRUM’N BASS STYLE-』

Tukkun

——新譜の二つ目、『FREE CONNECTION 3 / DJ MURASAME -DRUM’N BASS STYLE-』についても教えてください。

Tatsh

これはもともと出す予定のなかった作品なんです。友人たちとサウナへ行った帰りに食事をしていたんですけど、そこで「昔出されていた『FREE CONNECTION』がすごく良かったんですよ」と言ってもらえて(笑)。10年くらい前の作品なんですが、『FREE CONNECTION』シリーズはBPMを統一して作っていたアルバムなんです。

Tatsh

もう一度やったら面白そうだなと思いつつ帰ったんですが、すでにDJ MURASAME名義で別のCDも作っていましたし、同じことを繰り返すのも面白くないなと思ったんですね。それで、DJ MURASAMEとして初めてドラムンベースをやったらどうなるんだろう、と考えてできたのが『FREE CONNECTION 3』でした。

Tukkun

——いわゆるダークテクノのDJ MURASAMEが作るドラムンベース、ということですね。

Tatsh

そうですね。なので、ダークで重たいというよりは、少し爽やかで涼しさのあるドラムンベースになっています。全曲163bpmに統一していて、これはDJ MURASAMEとして“素数BPM”にこだわってきた流れを引き継いでいます。もともと151bpmを軸にしていたんですが、それだと少し遅いので163bpmにしました。

Tatsh

今回の28トラックも、これまでのFREE CONNECTIONと同様に、どこから聴いても自然につながるように作ってあります。さらに4つ打ちではないアプローチで、少しジャジーな要素も取り入れているので、そのあたりも楽しんでいただけたらうれしいです。DJ MURASAME流のドラムンベースという新しいサウンドを見れる作品になっているかと思います。

視聴動画

当日特典

Tukkun

——当日特典もかなり豪華ですよね。

Tatsh

そうですね。まずA4クリアファイルがあります。それから『FREE CONNECTION』1から3をDJ MIXした音源、全曲のライナーノーツにアクセスできるQRコードも付けています。

Tatsh

実は『FREE CONNECTION』の1と2は、自分の手元にも新品が残っていないくらいで、オークションとかでないと購入できない作品になっています。しかも、今回はある程度、元の音源からリミックス的なこともしていて、そこもおすすめポイントです。音源をただ並べただけだと、CDを持っている人なら同じことができてしまうので、あんまりお得感がないじゃないですか。

Tatsh

それと、今回の新譜28曲分のライナーノーツも一曲一曲しっかり振り返りながら、丁寧に書きました。ブログなどで公開することもできますが、作品を現地で買った方だけが読める少しクローズドな特典がいいなと思っているので、ぜひ手に取っていただけたらと思います。

BOOTH販売

Tukkun

——BOOTHでも販売されていますね。

Tatsh

はい。BOOTHやショップ価格では2作品を合わせると7200円になるんですが、さすがに高いので、セット価格で6400円にしています。セット購入がおすすめです。M3会場では、4000円と2000円で頒布予定です。

今回の作品は両方を

Tukkun

——今回の作品は、やはり両方買ってほしいという思いが強いですか。

Tatsh

そうですね。やっぱり両方手に取ってほしいです。TatshMusicCircleとしての楽曲、DJ MURASAMEとしての王道テクノ、そしてDJ MURASAME文脈でのドラムンベースという形で、今回は過去最大級に盛りだくさんな内容になっています。それぞれの違いも聴き比べながら楽しんでほしいなと思います。

海外の方も手に

Tukkun

——海外にも販路を広げているそうですね。

Tatsh

以前、プロモーションで韓国と中国に行ったことがあるんですが、日本のゲームカルチャーやアニメカルチャー好きな方が本当に多くて、日本語の曲もそのまま聴かれているんですよね。そういう意味では、海外の方にも作品を手に取ってもらえる機会をきちんと作っていかなければいけないなと思いました。5月にはイベントで韓国に行く予定があるので、その時にも直接作品を届けられたらと思っています。

皆さまへのメッセージと次回予告

Tukkun

——本当にいろいろなお話をありがとうございました。最後に、当日会場へ足を運ぶ方にメッセージをお願いします。

Tatsh

やっぱり、続けることって簡単ではないんですよね。だからこそ、Tatshがなぜ続けているのかという理由が、作品を買って聴いてもらえたら少しは伝わるんじゃないかなと思っています。本当に、「頑張って作ってるんだろうし、ちょっと買ってみようかな」くらいの気持ちでも手に取っていただけたら、今回はそれが一番うれしいかもしれません。

Tukkun

——ちなみに、次回のM3に向けて考えていることはありますか。

Tatsh

実はもうあります。以前からチルアウトミュージックをやりたいと思っていたんですよ。ただ、このジャンルはCDで出すより、配信作品の方が合っている気もしているので、まずは配信でリリースしたいですね。それから、夏には“TMC Summer”という形で、夏らしい楽曲もいくつか配信で出せたらと思っています。

関連リンク

Profile

Tatsh

18歳から音楽家として活動を始め、TV番組やCMの音楽制作を経て、beatmania IIDXへの楽曲提供をきっかけにコナミへ入社。beatmania IIDXシリーズのサウンドディレクターとして活躍したのち、フリーランスへ。同人音楽サークル「TatshMusicCircle」を主宰し、Tatsh名義のほか、テクノ系楽曲を手がけるDJ MURASAME、和風楽曲を手がける世阿弥など複数の名義で活動している。「流行を追いすぎず、自分らしさを大切に」をスタンスに、アレンジからプロデュースまで一人でコントロールする制作スタイルで、長年コンスタントに作品を発表し続けている。