若草きよか氏について

VSinger 若草きよか 氏
30歳を超えてボイトレを始め、スマホ一台でREALITYへ。フルトラッキングで全身を使って歌い、現地ライブへの熱いこだわりを持つVSinger・若草きよか氏。メンタルの病気に苦しんだ20代、介護の仕事、そして「生きる許可」を求め続けた日々。「歌うことでしか生きられない」と語る若草きよか氏に、音楽を始めたきっかけから、オリジナル曲『This is My Voice』への思い、そして自身が目指す姿まで、じっくりと話を聞いた。
インタビュー全文
歌を始めたきっかけ

——VSingerとして活動されている若草きよかさんにインタビューができて大変光栄です。さっそくですが、歌を始めた理由について聞かせてください。

中高と吹奏楽部で、大学でも吹奏楽部をやっていて音楽が好きではありました。ただ、歌を始めたのは30歳を超えてからですね。20代の時にメンタルの病気になってしまって、正直20代が暗くて、あんまり楽しいこととかもなく、仕事しながら生きてるだけっていう感じでした。本当にお仕事して家に帰って寝てるだけみたいな。そういう生活をしながら30歳を超えて、急に「このまま死ぬのも嫌だな」って思って、歌うのが好きだったからボイトレをしてみようかなってことでボイトレを始めたのがきっかけです。

それで、ボイトレを始めたら、やっぱり歌うのは好きだし「人に聴いてもらった方がうまくなるよ」って言われたので、そこから若草きよかとしてREALITYで活動を始めました。6月15日に始めたんで、今年で3年目になります!

——そうだったんですね。お仕事もきっかけになったと聞きましたが。

今も介護のお仕事をしてるんですけど、介護って結構メンタルに差し支えるお仕事というか、他にできるお仕事もなく……。ただ、介護士として利用者さんの前で体操したり、出し物で歌を歌ったりとかする中でやっぱり自分って人前に立つのが好きなんだなって思ったのもきっかけです。中学生の時とか、大学生の時にもステージに出る時には緊張しなかったので、やっぱり好きなんですよね。

——そういう中で楽器ではなく歌を始めたのが意外だなと感じました。

結構飽きが早くて、1回しまっちゃうとなかなか再開するっていう感じにならないのと、最初に買った古い楽器しかなかったので、楽器で活動しようかなっていう気持ちはなかったですね。楽器も本当に好きなんですけど、結構飽きちゃって(笑)。そういう感じだったので、カラオケとかが好きだから歌ってみようって感じでした。
なんで配信を始めたか

——そこから配信っていうのもなかなか思い切りましたね。

やっぱり病気の波とかがあるので、気持ちが落ち込んでる時とかは好きなVTuberさんでも見られないとか結構あって「こういう活動はできない……」って思い込んでいました。ただ、気力が回復して来た時に「こういう状態からでも活動ってできるよな」って感じたのと、それにスマホ一つでできるじゃないですか。そういう気軽さもあって始めましたね。

——REALITYからYouTubeに来たきっかけについても聞かせてください。

活動の中でいろいろな出会いとか、いろいろな人に応援してもらうとかっていう出来事があったので、「もうちょっと手を伸ばしたら尊敬するVTuberさんがやっていることにも、もしかしたら手が届くかな……」って思ってYouTubeに来たっていう感じです。
後はYouTubeに色んな機能があったのと、パソコンを買って本格的に配信をしてみたいっていう気持ちがあったので、1回こっちでもやってみるかって思った感じですね!
リアルライブ・フルトラへのこだわり

——現地でのリアルライブやフルトラにとてもこだわっていますが、これについても教えてください。

クオリティーだけを考えたら、家で座りながら落ち着いて操作をする方が良いとは思うんですよ。でも、全身をフルトラッキングしながら歌うことでしか得られないものがあるって私は思っています。現地ライブと言っても中継したり、本当に現地に行ったりとかいろいろな形式があるんですけど、なるべく中継型でも私が現地で歌ってるようなライブにしたいですね。それに会場の音質とか、熱気とかも含めて、体を動かしてたら思いが伝わるかなって思っているので、フルトラで全身を使って歌を届けるっていうのがこだわりというか、家で頑張ってやっています!

なるべく現地でやりたいなって思ってはいるんですけど、現地でリアルタイムフルトラッキングをしながら歌うのが難しいのと、応募しても落ちてしまうことがあるので、家にいても現地でやっているような“圧”を感じてもらえるようにやっています。

——ここまでリアルライブにこだわるようになったのって、好きなバンドのライブに行ったとかきっかけがあるんでしょうか。

田舎に住んでいたので、そういうライブには行かない方でしたね。でも行ったライブの思い出はすごく残ってはいます。でもそれよりは、初めて現地ライブをした時に、リスナーさんからフラワースタンドをいただいて「私って本当に幸せ者だな」って思ったのが大きいきっかけですかね。後は、本当に現地に行って3Dのフルトラでライブをしたこともあったんですけど、現地でライブをするのって本当にいいなって衝撃を受けたのもきっかけですね。
活動への根本にある思い

——そういった活動の根本にある思いってなんでしょうか。

正直あんまりきれいな思いじゃないんですけど、生きてる意味とか生きてる価値っていうのがわからなくなった時期があったんですよ。生きるためには許可がいるみたいな考え方をずっとしてて、実際はそんなことないと思ってますし、人に対してそう思うこともないのに、自分に対しては許可がいるんじゃないかって思うんですよ……。
でもライブにいっぱい出て、みんなが来てくれて、歌を聴いてくれて「すごくいいね」って言ってくれると“生きてる意味”を感じるというか、求めてくれる人がいるんだって思えるんですよね。

それに、私みたいなメンタルの健全じゃない人間が一人とでもつながりを求めることってやっぱり大事だと思っていて、この活動って引きこもっててもギリできますし、逆に外へ出る理由もできるじゃないですか。だから歌を届け続けるっていうのが自分の存在している理由になるんだなって思っています。そういう理由を作り続けないと私は生きていけない人間なんですよね。泳いでいないと死んじゃうマグロみたいな! 後は、何もやってないと落ち込むんですよね。ただ、やっぱり疲れて何もできない時もあって、罪悪感もあるんですけど……。
歌について

——歌というか、感情がストレートに伝わってきますよね。

シンプルに自分にできることをやるっていうそれだけかなとは思いますね。正直私の歌ってきれいじゃないというか、実力にも疑問符が付くぐらいだと思っていて、声がきれいだったり、かわいかったりしたらいいなって思うこともあるんですけど、それって変えられないじゃないですか。だから、自分の声とか歌い方をどうやったら活かしていけるのかってずっと考えてましたね。今はこれでもそれなりに聴けるような歌になって来たのかなと思っています。

後は、歌うことでしか生きられないっていう必死さが伝わってるのかなとは思いますね。「その必死さが本当に必死すぎる」って言う人もいて、でも必死になっちゃうんですよ。ただ、練習したことも忘れちゃうので最近は必死さを抑えながら歌うようにはしています! これはボイトレの先生にも言われてて、必死というか夢中にもなりすぎちゃうんですよ(笑)。ステージで歌うのがシンプルに好きすぎるし、やっぱりお客さんに見てもらうなら忘れられないものにしようとか、お金をもらうのって本当にすごいことだとも思ってるので、最後まで全力でステージをやり通したいとも思ってます。
オリジナル曲『This is My Voice』

——ぜひオリジナル曲の『This is My Voice』についても制作のきっかけなどを教えていただければと思います。

私の声ってやっぱり凡人の声っていうか、メインストリームな感じの声じゃないと思ってるんですよ。すごいかわいい声じゃないのでずっと好きじゃなかったですし、歌ってみたを投稿するんですけど、「自分の声だと歌がきれいにならないんじゃないか」って考えてしまって……。でも色んな人と出会って、リスナーさんが「声が好き」って言ってくれたり、『This is My Voice』を作ってくれた作曲者さんも最初の打ち合わせで「あんまり声をいいと思ってなくて……」って言ったら「めっちゃいい声だと思うけどね」ってさらっと言ってくださったりしたんですよ。そういう中で、だんだん自分の声が好きになっていったというか、許せるようになったって言う方が正確ですけど、「悪くないじゃん」って思うようになりました。
声って変えられないものだし、自分の声とかしゃべり方とか歌い方も含めて悪くないって思い始めたので、この声を聴いてほしいし、この声で活動しますっていう自分に対して証明するための曲です。それに、これが私の歌で、私の声で、私の生きざまなんだよっていうことをイメージしながら作りました。

後、この曲は曲が先にできていたのですが、すごく丁寧に対応とか連絡をしてくださって、私らしい曲になってすっごいうれしいです! 個人的にはCメロが気に入ってるんですけど、“raison d’être(レゾンデートル)”っていう、存在意義とかっていう意味の言葉を使っていて、作曲者さんにも「もっと中二病感出して!」とか言ってもらいつつ、言葉遊びを入れながら作ってます。
今後の目標

——本当にいろいろ聞かせていただいてありがとうございます。ぜひ今後の目標についても教えてください。

やっぱり、できればもっと大きい箱でライブできるようになりたいですね。いったん池袋にあるharevutaiに行きたい感じです(笑)。後はVSingerさんが出るライブにもいろいろあるので、お声をかけていただけるように、大きい所に出られるように、自分の歌を磨いていこうかなって思っています。
あとはCDも作りたいと思っていて、現時点で6曲オリ曲があるんですけど、今年中に10曲は出したいなと思っているので、アルバムとか作ってみたいな! それに、オリ曲だけのライブもしたいんでそのためにも、もっともっとたくさん曲を作らないといけないので、音楽に対する理解度を深めていこうかなとも思ってます。

——音楽の理解度を深めるために具体的にやりたいことってありますか。

ヴォーカルMIXを頑張ろうと思っているのと、作詞をやっていきたいですね。作詞は自分の得意分野かなとも思っているので、いいところは伸ばしていきたいなって思っています。それに、もしやらせてもらえるなら他の人の曲も作詞してみたいですね!

——音楽のジャンル的なところではどうですか。

ちょっとチルな曲にも挑戦しようと思っていて、これまでずっとパワーに引っ張られていたし、パワフルボイスっていうキャッチコピーも付けていたので、それが悪い方向に行ってたんですよ。だから、その意識を変えるために“追い風ボイス”にキャッチコピー変えたので、悪い癖をいったん落ち着かせて、パワフルにも歌えるし、静かな歌もちゃんと歌えるようにしていきたいです。私のバラードが好きだって言ってくれるので、そういう歌い方も追求します!

——最終的にここを目指したいっていうような目標はあるでしょうか。

自己開示をしながら活動しているので、生々しい感じなんですけど、生々しい感じで行きたいと思っています。そういう意味では、アイドルとか歌姫っていうよりは、ただ一人の人間としてその人生を歌うようなシンガーになりたくて、具体的には中島みゆきさんみたいになりたいです。
本当に中島みゆきさんをすごく尊敬していて、すごく人生を歌っているというか、人間に対する愛が溢(あふ)れた歌詞というか、人生と人間に対する愛に溢(あふ)れてますよね。特に『銀の龍の背に乗って』の歌詞が好きで、これってめっちゃ難しい言葉も使ってないし、普遍的な言葉なのに強いメッセージが伝わってくるっていうのが好きなんですよ。メロディーも自分で作ってるので、本当に尊敬しています。なんか生きてることってきれいなことばっかりじゃないと思うんですよ。そういう美しいものも、美しくない出来事もひっくるめている歌詞がすごい好きですね。

だから、派手じゃなくてもいいし、メインストリームじゃなくていいんですけど、自分の人生を歌えるシンガーになれたらいいなっていうのが自分の心の中にありますね。ボロボロになった20代の時期もあったし、おこがましいかもしれないですけど、一人の人間として誰かの支えになれるようになれたらいいですね。
皆さんへメッセージ

——最後にみなさんへメッセージをお願いします。

いつもリスナーさんには支えていただいて本当にありがとうございます。もうこんなに本当に好き勝手してるおばちゃんを、見に来てくださって感謝しております。でも、お互い人生もあると思うし、いつも言ってるけど、リスナーさんも無理しちゃいけない。私は人生の添え物だし、推し活ってエンタメコンテンツだからこそ、お互いがつらい時期にそばにいれるコンテンツだったらうれしいなと思ってます。だから、ずっと思い出さなくてもいいけど、私はこれからも歌を届けるので、余裕があったら受け取ってほしいっていうのは思ってます!
関連リンク
- 公式サイト
https://kiyokawakakusa.my.canva.site/ - X
https://x.com/KIYOKA_reality - YouTube
https://www.youtube.com/@KIYOKA_WAKAKUSA - BOOTH
https://kiyoka-wakakusa.booth.pm/ - 若草きよか 1st One-man LIVE 「This is My Voice」チケットサイト
https://jcm-event.bitfan.id/events/18316