『8ave.-オクターブ-』について

『8ave.-オクターブ-』
画面を流れるノーツを押してピアノを奏でる新作音ゲー『8ave.-オクターブ-』が登場。操作は「通常ノーツ」と「ロングノーツ」のみとシンプルながら、8レーンを活かした和音や階段配置でピアノ演奏さながらの没入感を実現している。キャッチコピーは「8つの鍵盤で奏でる調和(ハーモニー)」。収録楽曲は100曲を超え、その多くを基本プレイ無料で楽しめる点も見逃せない。
インタビュー全文
自己紹介

——『8ave.-オクターブ-』の主要な制作メンバーであるお二人にインタビューができて大変光栄です。早速ですがお二人の自己紹介とご担当を教えてください。

開発責任者のwata*(わた)と申します。このゲームの発案者で、基本的には企画・開発の全てを自分で行っています。プログラミングも含めて、最初の頃は曲の譜面を作ったり、収録の依頼を出したり、ゲームに関わるところは全て行っていました。

AGOCHU(あごちゅう)と申します。仕事でプランナーをやってまして、こちらでも『8ave.-オクターブ-』のプランに関わる業務を行っています。最近でいえばクラウドファンディングの内容を決めたり、文章を作ったり、運営方針やその中身を決めるようなところで協力させていただいています。
どちらでお知り合いに?

——ありがとうございます。ちなみにお二人はどちらで知り合ったんでしょうか。

実はwata*さんとは会社の先輩と後輩で、私が後輩になります(笑)。自分が入社した時に「音ゲーが好きです」ってアピールをしたら、wata*さんに声をかけていただいて同じ音ゲー好きっていうところでも意気投合しまして、普段からゲームセンターに遊びに行くような仲になっています。そこで「音ゲーを作るんだけど」っていう話をwata*さんからいただいたので、自分もぜひ協力させてくださいっていうことで企画が始まった感じですね。それに、趣味で楽曲を作っていたのもあって、楽曲の提供とか、譜面の作成もしていました。

本業でもゲームに関わる仕事をしているので、仕事でもゲーム、趣味でもゲーム作りをしている感じです(笑)。

——そうだったんですね! プライベートでも音ゲーマーとは!

自分は『CHUNITHM』をやっていて、全国でTOP100位に入るぐらいにはやらせていただいています。あとはスマホの音ゲーだと『プロジェクトセカイ カラフルステージ!』もやっていましたし、『BanG Dream!』では公式大会にも出させていただいているので、音ゲーマーとしても実績がある感じです。生活の一部っていうぐらい音ゲーが好きですね。

自分は『beatmaniaIIDX』っていう音ゲーをやっています。wata*さんほど誇れるものはないんですけど、皆伝の段位を持っています。自分も音ゲーが生活の一部になっていて、音ゲーがなかったら苦しいと思いますね(笑)。
一緒に制作を決めた理由

——変なことを聞くんですが、一人でも作っていくという選択肢があったかと思うんですが、なぜ声をかけたんでしょうか。

まず一つは、AGOCHUさんが音ゲー好きだったっていうことと、とにかく音ゲーに対する熱量がすごく高かったっていうのがあります。あとは、本当に何事にも肯定的な人間なんですよね。あんまり意見を否定するタイプじゃなくて、それがすごくいいなと思ったのもあります。何を提案するにしても、肯定的なアイデアを出してくれて、プランナーでもあるのでアイデアの幅が豊富なんですよ。こういう背景もあったので、この人と組んだらもっと面白いゲームになっていくんじゃないかって思ったのが声をかけた理由ですね。

——本当に大きなプロジェクトになっていますが、一緒にやると決めたAGOCHUさんもすごいなと思います。

僕って元々ものづくりが好きで、自由帳に漫画を描くタイプの小学生だったんですよ。何かを作って人に見せるっていうのがすごい好きで、それがプランナーになった理由でもあります。あとは会社に入ったからといって、自分の好きなゲームが作れる訳じゃないですよね。そんな中で自分もいつか音ゲーを作ってみたいなって思っていたところにwata*さんからお声がけがあったので「やりましょう!」って返事をした感じでした。

本当にすごく協力してくれて、めっちゃありがたいですよ。

企画書はかけるんですけど、プログラミングができないので、本当に一緒に組めて良かったなって思ってます。

——パブリッシャーであるKaidenAura(かいでんおーら)はお二人のサークル名という感じでしょうか。

イベントへ出るのにサークル名を決めないといけないっていう話になりまして、二人とも“音ゲー好きだからこその名前”が欲しいよねってなったんですよ。それで「二人とも皆伝だしKaidenAuraでいいんじゃない?」ってことで、これになりました。
なぜ音ゲーを作ろうと思ったのか

——音ゲーをずっと趣味でやってきたと思うんですが、そこからなぜ音ゲーを作ろうと思ったんでしょうか。

これには二つありまして、まず一つに私ってチャレンジをするのが好きな人間っていうのがありますね。人生一度きりなので、生きていく上で何かしら面白いことをしていきたいって考えてるんですよ。仕事でゲームを作るだけじゃなくて、趣味で作ってみようかなっていうのと、自分の勉強も兼ねて音ゲーを作ってみようかなっていうのがまず一つのきっかけになります。休みの日にただ遊ぶだけじゃなくて、今までにやったことないようなこともやってみたいし、勉強も兼ねて音ゲーを作っているのもいいかなと。

もう一つは、音ゲー楽曲の良さを伝えたいっていうのが、このゲームを作った根底にあります。そういう思いで作っているので収録楽曲が豊富っていうのもこのゲームの特徴です。企業さんの音ゲーとかでも初期リリースでは60曲ぐらいが目安になっているんですが、今回の『8ave.-オクターブ-』では100曲を超えているっていうのが一つの売りです。今後もどんどんハイペースで楽曲を追加していこうと思っています。

なので楽曲の収録をする時には、心がけていることがあって、有名な作曲家さんの楽曲ばかりじゃなくて、知られていない方だったりとか、魅力的な楽曲なのに世に広まってないような方の楽曲をあえて収録させていただいています。win-winの関係といいますか、収録させていただいた方の楽曲がこれからたくさんの人に聴いてもらえたらいいなと思っています。この設計はAGOCHUさんからの影響も受けてそうしてるんですよ。

収録曲に対する思い

——ぜひ詳しく聞かせてください。

自分って決まった楽曲ばっかり選曲するようなタイプなんですけど、AGOCHUさんは曲を選ばずに色んなジャンルの曲をプレイするんですよ。それに感化されて、普段選んだことない曲でやってみようってなったんですよね。そうしたら、「めちゃくちゃ良い曲いっぱいあるじゃん」っていう風になったので、『8ave.-オクターブ-』も楽曲数をボリューミーにしたっていう感じです。

それはうれしいですね。

世の中に自分みたいな人っていっぱいいると思うんですよ。周りにも決まった曲しかやらないっていう人が多いので、ぜひそういう人たちにやったことない曲とか、普段選ばない曲とかをやってほしいなっていう思いで作っています。
ゲームの設計について

——ゲームそのものについても聞かせてください。フリックやスライドなどをなくして、押すことだけに集中できる設計が売りになっていますが、これについて聞かせていただけたらと思います。

まず大前提として、フリックもスライドもそれぞれの音ゲーで魅力的な要素の一つになっているということを前置きさせてください。

それを踏まえた上で、先ほどお話をしたようにスマホの音ゲーで大会に出ることもあったんですが、普段曲の練習をしていく上でオールパーフェクトを目指すんですけど、通常のノーツ部分以外でミスをすることが多いんですよ。例えばフリックの方向間違いとか、ロングノーツを離す瞬間の判定がずれることで結構苦い経験をたくさんしてきたっていう背景があるんですね。そこから、音ゲーにおける楽しさの本質を突き詰めて考えたら、押すっていう部分が一番大きいかなと思いまして、そこにフォーカスして作りました。やっぱり音楽に合わせてノーツを押して、その瞬間に音が鳴るっていうのが楽しい部分だと思うんですよ。
なので、フリックもスライドもないですし、ロングノーツから指を離す判定もなくして、通常ノーツとロングノーツの2種類だけに絞ったっていう感じです。

——ピアノをコンセプトにした理由についても教えてください。

このゲームが8レーンで作られているっていうことと、それがちょうど1オクターブだろうっていうことで、ピアノモチーフに行きつきました。あとは、8レーンだとグリッサンドができたり、和音を鳴らすみたいに同時押しができたりするので、そういう操作もピアノモチーフならできますし、同時押しに意味付けができると思ったっていうのもありますね。


——ちなみに楽曲とノーツはリンクしているんでしょうか。

楽曲とノーツは切り離されているので、そういうタイプの音ゲーではないです。もちろんノーツを押したら対応した音が出るっていう方が演奏感が出ていいと思うんですけど、その分配置に制限が出るんですよ。やっぱり、同じ音は同じ場所から鳴らないと不自然なので、配置の自由度を重視して、楽曲とノーツは切り離しました。
本当に誰でも直観的に音ゲーの楽曲に合わせてノーツを押すっていう楽しい体験ができるっていうところで勝負しています。

——相当譜面にこだわっていると思うんですが、これはwata*さんが全て手掛けているんでしょうか。

元々一人で開発をしていたので、譜面作りも何もかも全部一人でやっていたんですが、最近ちゃんと体制が整えられまして、数人の譜面制作者に協力をいただいております。協力者の中にも譜面制作のリーダーを置かせていただいて、その方がチェックして問題なかったら自分の方で最終確認するような感じで進めていますね。

——シンプルという点では難易度の名称もすごく分かりやすいですね。

ここはいろいろ考えました(笑)。このゲーム特有の呼び方とかも考えたんですけど、一目で見た時に分かりにくいかなっていうところがあって、イージー、ノーマル、ハード、マスターっていう風にしました。音ゲーやったことない人にもプレイしてほしいっていう思いがあるので、一目で「イージーだから簡単なんだな」って分かるようにしています。

——ランキングシステムがあるのも一つの特徴ですが、実装を決めた理由って何だったんでしょうか。

いくつか理由はあるんですが、一つは自分の実力が指標として分かった方がいいなっていうのがあったのと、やり込み要素としても考えています。この数値を上げていくっていうところが最終的な目標になるのかなって思うんですけど、音ゲーの何が楽しいのかって聞かれたら、やっぱり上達を感じた瞬間が楽しいのかなって思うんですよ。なので、それを視覚的に分かるようにしました。あとは、競争性も持たせたいと思っていて、やっぱり一人でずっとやっているよりは他の人と競った方が楽しいと思うので、ランキングで他の方のレートも見られるようにしています。

リリース後の予定について

——リリース後の楽曲追加は予定されているでしょうか。

これは本当に構想段階になってしまうので確定ではないですが、現状でお話しできることを話せたらと思います。まずゲームのリリース後も一カ月に5曲ぐらいを目安に追加していく予定です。商業音ゲーと変わらないくらいのペースで追加できたらいいなと思います。

——相当ハイペースで追加しますね。

それこそ、楽曲を募集した時に150曲ぐらい応募をいただいて、AGOCHUさんと全部確認させていただきました。そうしたら本当に良い曲を書いてるのに世に出てない、商業ベースに乗っていない方ってたくさんいるんだっていうのを実感したので、そういう方の助けになれたらいいなっていう風に思っています。なので、商業までのステップアップとしても使っていただくみたいな感じで考えていただけたらうれしいですね。

——今後DLCの予定などはあるでしょうか。

DLCは出します! 有名な方の楽曲パックとか、ノーツ、UIのスキン等を有償で出そうかなと考えています。
システム面について

——ゲームのシステム面についても聞きたいのですが、例えば入力遅延等に関してはどのように対策をしているでしょうか。

Unityを使って制作をしているので、ある程度Unityで入力遅延の対策ができていますね。なので入力遅延に関してはほぼゼロにできました。それ以外にも、細かい部分でいくつか工夫をしています。例えば、再生時にカクつきが出ないようAudioClipを事前にロードしておく仕組みを入れています。あと、デバイスによって環境に差異が出てしまうので、それを吸収するために音源の再生位置や判定位置のオフセットを1ms単位で細かく調整できるようにしていますね。

ただ、ボタンを8つ同時に押すと音が重なって爆音になるんですね、その爆音を抑えるために一定以上の音量が出ると音が出なくなる仕組みがUnityにあるのですが、これがいろいろ悪さしてしまいまして、そこの対応には苦慮しましたね。そこで、ミドルウェアであるCRIWAREさんを使うことでそういった問題が起きないようにしました。企業さんの音ゲーにもほぼ使われているソフトになっているので、ここは頼らせていただいています。

後は、譜面を流すところに関してはこだわりました。譜面をどう定義して、どう流すのかっていうのは工夫をしまして、そうじゃないと画面飛びすることもあるので、動作の安定性とか動作の軽さに対してはすごく考えています。プログラミング的にはプールっていう方法を使っているんですけど、ノーツを再利用するようなイメージで、一度使ったノーツを再利用してるんですよ。そうすれば、画面の外には一切描画負荷がかからないので、一万ノーツとかを流しても負荷がかかるのは描画されている範囲だけなので、動作の安定性の面からそういう手法を取っています。

基本プレイ無料って?

——ここからはプランナーのAGOCHUさんにお話を聞けたらと思います。基本プレイ無料にするっていうのはかなり思い切りましたね。

そうですね。基本無料っていうのは大きいと思います。Steamに出ている音ゲーで基本無料っていうのはなかなかないんですよ。でも、お金を払って遊んでみたら合わないっていうっていうこともあるじゃないですか。そこにかかるコストをゼロにすることで、若い方にも手に取って遊んでもらえるっていう部分がかなり大きいのかなって思っています。体験版を出さずに、100曲以上収録されている無料の製品版で遊んでもらって、そこから気に入ってもらえればいいかなっていうのはあります。

——クラウドファンディングについてもAGOCHUさんの提案だったんでしょうか。

実はTatshさんから「クラウドファンディングをやってみたらどう?」っていうお話をいただいたんですよ! “東京ゲームダンジョン”っていう同人ゲームイベントに出展していたんですけど、そこでブースに来ていただきまして「楽曲提供しますよ」っていうところからのつながりですね。その後、打ち合わせのためにお食事をご一緒させていただいたんですけど、その時の雑談の中でクラウドファンディングの案をいただいた形になります。いろいろ考えると、クラファンのタイミング的にはもう一カ月切っているような状況ではあったんですけど、もう一人のプランナーの方とwata*さんの三人で動きまくって用意しました。

——それはなかなか大変でしたね!

そうですね(笑)。ただ、音ゲーのクラファンって他にも前例があるので、そこを参考にさせていただいたり、『8ave.-オクターブ-』ならではの返礼品を考えたりして、いろいろ試行錯誤させていただきましたね。
本当にどうご支援いただけばいいのかっていうのは三人で侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をして、話し合いながら調整をしました(笑)。そんな中で100%を達成させていただいたので、本当にありがたいですね。

本当にありがとうございます!

——二人三脚で作っていることが分かって、これからのリリースが楽しみなんですが、意見が割れるようなことはなかったんでしょうか。

意見が割れるようなことはないですね。

二人ともガチの音ゲーマーなので向いている方向が一緒なんだと思います。
Tatshさんを含めいろいろな方からいろいろなご意見をいただいていて、面白いアイデアがたくさんあってすごくいいなと感じてますね。

中にはプログラミング的に難しいものもあるんですけど、今後どこかで実装できたらいいなみたいな機能も含めてメモさせていただいています!
お二人からメッセージ

——本当にいろいろ聞かせていただきましてありがとうございました。最後にお二人からメッセージをお願いします。

「音ゲーをやったことがない方にも触れてみてほしい」というお話を何度かお伝えしたのですが、どんな方にも満足していただける内容になっていると思います。普段音ゲーをやらない方であれば、イージーでも楽しめますし、他の音ゲーでランカーをやっているような方でも苦戦するぐらいの難易度も用意していますので、クリアした達成感は味わってもらえるのかなと思います。
成長していく過程も楽しめますし、プレビューで曲を聴くだけでも楽しめる。そんなゲームになっています! 本当に音ゲー楽曲の魅力を世の中に広めていけたらいいなっていうその一心で作っていますので、ぜひよろしくお願いします!

ゲーム自体はピアノモチーフになっているんですけど、ピアノ主体の曲だけを入れるっていう訳ではなくて、音ゲー感の強い曲とかハードコアとか幅広い曲を用意しています。なので、新しいジャンルを聴く楽しみだったり、発見する楽しみだったりも味わえます! これからもよろしくお願いします!
記事中の画像は開発中の物です。製品版とはイメージが異なる可能性があります。
クラウドファンディングページ

- 【打鍵と向き合う極限の8鍵音ゲー】『8ave.-オクターブ-』制作プロジェクト!
https://camp-fire.jp/projects/950910/view?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_mypage_projects_show
引き続きご支援をお待ちしております!